愛称にタトゥーもクリリン。ブラジル人FWがマリノス移籍に「運命だね」
横浜FMに加入したマルコス・ジュニオール。左腕には来日前に彫ったというクリリンのタトゥーも。(C)SAKANOWA
元U-20ブラジル代表マルコス・ジュニオールが「9番として、たくさんゴールを狙う」と決意。
横浜F・マリノスに今季加入した元U-20ブラジル代表のFWマルコス・ジュニオールが1月13日の新体制発表会で登場し、背番号「9」の新ユニフォーム姿をお披露目した。
発表会後に取材対応したマルコス・ジュニオールは、ブラジルのフルミネンセFC時代にゴールを決めたあとに見せてきたアニメ「ドラゴンボール」の”かめはめ波パフォーマンス”について、キッカケなど背景を語ってくれた。
ドラゴンボールはブラジルでも有名なアニメで、マルコス・ジュニオールは頭を丸めるようになった3年ほど前から、「クリリン」とニックネームで呼ばれるようになったという。
「自分もドラゴンボールをテレビで見て好きになっていきました。それに、みんなから『クリリン』と呼ばれるようになってから注目され出してまんざら悪くもないなと思いました」と、そのニックネームを気に入り、クリリンも必殺技とするかめはめ波のゴールパフォーマンスをするようになった。さらに来日前、左腕にクリリンのタトゥーも入れるほどの惚れ込みようだ。
過去3年間のブラジル1部リーグの成績は、2016年27試合6ゴール、17年、18年はいずれも25試合3得点1アシスト。運動量を生かしてボールを引き出して、さらに前へ向かっていく。ゴールへの推進力を生み出すプレーが持ち味である。トップ下が主戦場で、サイドアタッカーやセンターフォワードもこなしてきたという。
ただ、横浜FMではこれまで以上に、よりゴールに絡む仕事が求められていることは理解している。
「『9番』はブラジルではストライカー、点を取ることが仕事の背番号です。そのために選びました。たくさんゴールを狙っていきます」
そのように1月19日には26歳の誕生日を迎えるマルコス・ジュニオールは、決意を示していた。
ブラジルでは日本食もよく嗜んできたそうだが、「寿司もよく食べてきました。ニセ物でしたが(笑)。本物をたくさん食べてみたいです」。さらにドラゴンボールも、Jリーグ挑戦(日本行き)に少なからず影響したのか? そう聞くと彼は「もちろん」と答えた。
「運命は面白いもので、日本でプレーすることになりましたね」
クリリンの逆輸入とも、サッカー界のクリリンが”運命”の来日を果たしたとも言える。何より横浜FMのファンとサポーターが楽しみにしているのは、1回でも多くのゴール後のかめはめ波パフォーマンスが飛び出すことだ。
2年目の指揮を執るアンジェ・ポステコグルー監督はこの日、アタッキングフットボールをより追求しながら、「勝利にこだわる」という基本スタンスを示した。さらに――マルコス・ジュニオールのかめはめ波に、射手座の李忠成による弓矢、さらに……、今季の横浜FMはゴールパフォーマンスもより攻撃的になりそうだ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI