サウジ戦パスつないだ本数、2位にGK権田修一。負担掛かりすぎ!?
日本代表の権田修一。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
”11人目のフィールドプレーヤー”に依存。1位柴崎、3位冨安…。
[アジアカップ ラウンド16] 日本 1-0 サウジアラビア/2019年1月21日/シャルジャ・スタジアム
UAEアジアカップ決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)、日本代表はサウジアラビア代表に圧倒的にボールを保持されながらも、開始20分に決めた冨安健洋のゴールを守り切り、1-0の勝利を収めた。
この試合のパス数は日本が197本、サウジアラビアが655本、パス成功率は日本が60.4%、サウジアラビアが83.5%だった。
森保一監督の就任に伴いメンバーを大幅に刷新して臨んだ初めての国際大会であり、こうした苦しい戦いをモノにしてこそ、チームとして成長を遂げられる。状況に応じて臨機応変に戦い切った点も収穫だ。
とはいえ、すべてが褒められたわけではなかった。前線でタメを作れず、日本陣内で常に試合を進められたことは決して意図的だったとは言えない。しっかりとしたビルドアップがグループリーグのオマーン戦に続いてできなかったことも
必死に耐え抜いたことを物語るデータがある。AFC(アジアサッカー連盟)がまとめたサウジアラビア戦での日本の各選手がパスをつないだ本数のランキングは次の通りだった。
□日本代表
サウジアラビア戦で
味方につないだパス/キック本数
※AFCまとめ
順位 名前 本数
1位 柴崎 岳 22本
2位 権田修一 14本
3位 冨安健洋 13本
4位 吉田麻也 12本
4位 遠藤 航 12本
6位 原口元気 11本
7位 武藤嘉紀 10本
8位 酒井宏樹 7本
9位 長友佑都 6本
9位 南野拓実 6本
11位 堂安 律 5本
11位 伊東純也 5本
なんと2位に14本のGK権田修一が入っている。選手たちはあえてサウジアラビアにボールを持たせて攻めさせ、そこまで危険は感じなかったと言う。その一方で、フリーでボールを持てる”11人目のフィールドプレーヤー”のGK権田のキックに、かなり依存していことも分かる。
上の図が権田のキック(パス)を一覧にしたもの。カウンターの起点にもなっていたと言える。同時に、少しでも日本ゴールからボールを遠くに置きたいというGKの本能が働いていたことも感じ取れる。
もしも権田や守備陣のミスから失点を喫していたとしても……責められなかっただろう。常に危険にさらされていたのだ。その意味でも権田、吉田、冨安を中心とした守備陣の奮闘は流石だったと言える。
同時にプレーエリアがこのように低すぎる状況が続くようでは、攻撃に厚みを持たせられず、ゴールを奪う機会は限られる。権田をはじめGKの負担を減らすことは、ここからの日本のテーマになる。
文:サカノワ編集グループ