VARで得点取り消しの吉田麻也「AFCも審判も使いたかったはず」「フェアだった」
日本代表の吉田麻也。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
アタッキングサードの質の低さを課題に挙げる。
[アジアカップ 準々決勝] 日本 1-0 ベトナム/2019年1月21日/アール・マクトゥーム・スタジアム
DF吉田麻也が24分に柴崎岳の左コーナーキックにヘッドで合わせてゴールを決めた、かに思われた。しかしその後、UAEのモハンメド・アブドゥラ・ハッサン主審がVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)での確認を要求。ピッチ脇にあるモニターで確認し、吉田のヘッドで当てたボールが手にあたって決まっており、ハンドのファウルでゴールを取り消した。
それでも逆に57分、堂安律がペナルティエリア内で倒されて、一旦プレーは流れた。しかし、再び主審がVARを要求し、今度は一転して日本にPKが与えられた。そしてそのキックを堂安がしっかり決めて、決勝点になった。
5試合連続での1点差での勝利。しかし主将の吉田は、決して満足していなかった。
「簡単な試合は一つもなかったですし、今日も非常に難しいゲームでした。(失点を)ゼロに抑えられたことは良かったですけど、僕自身も細かいミスが多くて、なかなかリズムを掴めませんでした。そこが今日ちょっと良いサッカーができなかった要因。後半はテンポ良くボールを回せるようになって、相手もかなり疲弊してきて、VARで運よくPKをもらえましたが、なんとか勝てて良かったと思います」
そして吉田自身がVARでゴールが取り消されたことについてはこう語った。
「この準々決勝から導入されるということだったので、おそらくAFC側も審判側も前例を作るために、使いたがるだろうなとは分かっていたので、もしかしたらハンドだったかな? というところもあり、仕方なかったです。それでも逆に後半、イニシアチブをとれたので、(VARによる中断や判断は)フェアかなと思います」
むしろ、ビデオを確認したうえで最終的な判定が下されることで、気持ちを切り替えて試合に臨める。その点を吉田はポジティブに捉えていた。
次は中3日で準決勝。イランか中国の勝者と対戦する。
「ここまで難しい試合をずっと勝ち進んできましたけど、もっともっと試合のテンポを早めて、質を上げて、特にアタッキングサードのクオリティを高めれければ、次の相手には勝てません。まずしっかり休んで、いい準備をしたいと思います」
吉田はそのように課題を挙げ、改めて気を引き締めた。
文:サカノワ編集グループ