【決勝先発案】塩谷が「運命的」起用へ。右SBは酒井を基本線に室屋もいける!
塩谷がウズベキスタン戦以来の先発。右SBは酒井の状態によっては室屋になりそうだ。(C)SAKANOWA
明日、アジアカップでカタールと決戦。冨安が大会記録8得点のアルモエズ・アリに挑む。
[アジアカップ 決勝] 日本- カタール/2019年2月1日(日本時間23時)/シェイク・ザーイド・スタジアム
アラブ首長国連邦(UAE)で開催中のAFCアジアカップ2019は2月1日、日本代表対カタール代表の決勝が行われる。現地時間18時、日本時間23時キックオフ。日本が勝てば2大会ぶり5度目、カタールが勝てば初優勝。
FIFAランキングは日本が50位、カタールは93位。AFC内では日本が3位、カタールが13位。国際Aマッチの通算成績は2勝4分2敗、10得点10失点とまったくの五分だ。
カタールで警戒すべきは、アリ・ダエリ(イラン代表)の大会最多8得点と並んだアルモエズ・アリ(アル・ドュハイルSC)だ。22歳のストライカーは身長188センチの高さを生かしてボールをしっかり収め、一瞬でトップスピードに入る突破からゴールを攻略する。冨安健洋にとっては手強いが、むしろやりがいのある相手になりそうだ。
また、献身性の高い10番のアル=ハイドゥース(アル・サッドSC)は丁寧にスペースを埋め、精度の高いパスを散らしながら、強烈な攻撃陣を支える。彼に自由を与えないことも、日本の中盤の重要なタスクになる。
一方、日本はケガで準決勝の後半途中に交代したボランチの遠藤航の欠場が濃厚だ。妥当に考えれば、代わって塩谷司が起用されることになる。UAEのアル・アインに移籍して今年で3年目。守田英正(川崎フロンターレ)の負傷による代表離脱により、同国開催であることも考慮されて急遽追加招集された。そして決勝のピッチに立ち優勝を果たすことになれば、何ともドラマチックな展開だ。そんな、ある意味、塩谷のための決勝――になるかもしれない。
中心選手は大迫が中3日での2試合連続、ほかは中2日、中3日での3試合連続先発となる。疲労度によっては、他にも先発の入れ替えがあるか。準決勝で途中交代した右サイドバックの酒井宏樹は、ケガ自体は問題はなかったという。徹底してドリブルを仕掛けてくるカタールのアタッカー陣には、彼の特長である1対1の対応力がより生きるはずだ。
ただ、酒井ではなく室屋成が先発したとしても、彼が持ち前の運動量を生かしてアップダウンを繰り返すことで、相手を守備に回す展開を思い描ける。1列前の堂安律との相乗効果も期待できる。もしも酒井が出場できなくても、戦力ダウンとはならない。
日本は決勝トーナメントに入って3試合連続無失点。一方、カタールはこれまで6試合無失点だ。
とはいえ、日本がイランの守備網を打破したように、冷静に試合をコントロールできれば、おのずとチャンスを見出せるはず。万が一、先制点を与えた場合でも、焦れずに(パワープレーに走ったりすることなく)攻めていきたい。
この試合でも再び、セットプレーは貴重な得点源になる。冨安、吉田麻也の高さ、今回はさらに塩谷も加わり、より重圧を与えられる。柴崎にとっては見せ場にもなる。
そして大迫が準決勝と同じかそれ以上のコンディションであれば、日本はある程度、主導権を握って試合を進めることができるはず。
あとはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が採用されたこともあるが、レッドカードにだけは注意したい。
カタールとUAEは現在国交を断絶している状態。会場がどのような雰囲気になるかは読めない。日本がこの大会で積み重ねてきた成長の証、真価を発揮する時は来た。
文:サカノワ編集グループ