収穫は冨安の台頭、アジア杯全試合出場「サッカーはずっと勝ち続けられない。だからこそ、この1敗を忘れない」
日本代表の冨安健洋。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
「まだまだ力が足りなかった」と自分自身に言い聞かせる。
[アジアカップ 決勝] 日本 1-3 カタール/2019年2月1日/シェイク・ザーイド・スタジアム
UAEアジアカップ準優勝に終わった日本で、CB冨安健洋の台頭が収穫に挙げられる。グループステージ3節のウズベキスタン戦は試合終了間際の途中出場だったが、原口元気とともに全7試合出場を果たした。
とはいえ準優勝。むしろ、決勝で負けただけに、「敗れた」ことのインパクトが強く残る終わり方になった。
冨安は試合後、次のように悔しそうに語った。
「前半しっかりゼロで抑えられないと難しいゲームになってしまいます。(後半は)負けていましたし、リスクを冒してでも行かないといけない状況でした。技術うんぬんというより、勝ちたい想いで……でも結果として出なかったので、甘かったのかなと思いました」
そのうえで冨安は「まだまだ力が足りなかったなと感じました」と、自分自身に言い聞かせていた。
約1か月間、日本代表の中心選手として戦い続けた。それは貴重な財産にもなった。
「本当に充実していました。最後勝って優勝して終わりたかったのが正直な想いですが。この悔しさをまたバネにしてやらないといけないと思います。自分の成長につながる大会だったと思います。でも結果が伴ってくれば、もっと良かったです」
甘さと悔しさ――。冨安は自分自身への要求をさらに高める。
「サッカーをやっているなかで、ずっと勝ち続けることはできません。今日の敗戦を忘れずやっていかないといけません」
20歳のDFはそのようにこの敗戦を受け止めていた。
ベルギーのシント=トロイデンでは、公式戦全試合フル出場と不動の地位を築いている。その間にも、もちろん、良い時も、辛い時もあった。そして今回の敗戦をどのように還元し、どのような進化を遂げていくのか――これからが楽しみだ。
文:サカノワ編集グループ