【湘南】浦和から復帰、武富孝介が痺れた始動日のミーティング
武富孝介。(C)SAKANOWA
曺貴裁監督が欧州の映像を使いさっそく指針を伝える。
MF武富孝介が今シーズン、浦和レッズから湘南ベルマーレに期限付き移籍で加入した。2013、14年に在籍してJ1昇格を果たして以来、5年ぶりの復帰となる。
1月11日のチーム始動日のあとに開かれた新体制記者発表会でのことだった。あいさつに立った武富は「午前9時からのミーティングで、これがやはり湘南ベルマーレだな、とさっそく実感しました」と語っていた。
それは果たして、どのようなミーティングだったのか。会見のあと、武富は次のように説明してくれた。
「他のチームではなかなかない、さっそく始動日に映像を使いながら、曺さんが熱く語ってくれるミーティングから入りました。チームとしてのモチベーションも瞬く間に上がりました」
多くのチームの始動日では、クラブの社長などが訪れ、選手たちを激励することがあると聞く。ただ湘南の始動日は、曺監督から今季の目標やビジョンのみならず、編集された欧州のクラブチームのプレー映像が流されて、戦い方に関する具体的な「指針」も示された。
「始動日は挨拶をする程度のチームが一般的です。そこまで、しっかりミーティングができて、『今日からしっかりやっていくぞ』というチームの意思も表われていました。これがベルマーレだな、と気持ちが昂りました」
昨年11月、古巣である湘南がルヴァンカップを制覇するのを埼玉スタジアムで目の当たりにした。
「ベルマーレは常にいいチームだなと思ってきました。ルヴァンカップ決勝でも、いいサッカーをしているなと改めて実感し、以前にお世話になったこともあり、気付けば応援している自分がいました。浦和ももちろんですが、人の心を動かせるサッカーをしている。そこで実際に話(湘南からのオファー)をいただいたあとは、むしろ『行きたいです』と前向きに伝えました」
昨季は浦和で公式戦16試合2ゴール(リーグ8試合、ルヴァンカップ8試合2得点)を記録。もちろん天皇杯王者のチームで、さらにやり遂げたいことはあった。ただ、そんな古巣の湘南に必要とされたことも、また嬉しかった。
「まず試合に出ること。そのためにハードな練習をして、しっかりチームの中で自分を出していける、その時間を増やしていきたいです。早くチームに慣れて、チームにも自分を知ってもらい、試合でそれを表現していきます」
柏と浦和ですごした4シーズンも、むしろ多くのことを吸収する機会になったと捉えている。そこで得た経験を糧に、2019年、武富が全ての力を湘南のために注ぐ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI