女子W杯前哨戦、若手加えた日本が女王米国に挑む
FWで出場機会を狙う日本女子代表の池尻痲茉由(水原WFC)。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
4か国対抗戦、なでしこジャパンがいきなり開催国のアメリカと対戦。
女子ワールドカップイヤーのなでしこジャパン(日本女子代表)が国際Aマッチ初陣となるアメリカ開催の有力4か国対抗戦「She Believes Cup(シービリーブスカップ)」に挑む。初戦のアメリカ女子代表戦を翌日に控えたなでしこジャパンは会場となるフィラデルフィアの「Talen Energy Stadium」で公式練習に臨んだ。
GK山根恵里奈(レアル・ベティス)が合流したことで全員が揃い、厳しい寒さのなか、攻撃の組み立てやプレスのかけ方などを確認していった。さっそく迎える世界ランク1位のアメリカとの戦いに向けて、念入りに最終調整を進めていた。
なでしこジャパンとして初めて参戦する選手もいる。現地合流となったキャプテンのCB熊谷紗季(オリンピック・リヨン)にとっても、初めて顔を合わせる選手も少なくない。ここからの3試合を戦うなかで、相互理解を深めていく形だ。
一方、アメリカはすでに戦い方は固まり、ワールドカップ連覇へ向けて最後の調整に入っている。この前哨戦でも、前回大会決勝の相手である日本を倒して勢いに乗りたいところだろう。現状では両チームの間に力の差があることは否めないが、あくまでも、目指すは”本番=W杯”での勝利だ。
日本にとってはこの時期に、アメリカ、ブラジル、イングランドと戦えるのは、「いいシミュレーションになる」と熊谷も捉える。
「『経験』は戦っていかなければ積み上がっていかない。もちろん逆に経験がないから出来ないということでもない。自分たち自身で次につながる経験をしていけるように全力で戦いたい」
2011年に世界制覇を経験している熊谷は、そのように語る。
世界女王相手に攻め込まれる時間のほうが長くなるだろう。その中でも、日本が攻撃に持ち込める時間は必ずある。高倉麻子監督は「とにかくチャレンジ。エラーを恐れてプレーすることがないように」と、いかなる時も前を向く姿勢を求めている。
若い戦力が初めての世界トップクラスと対峙する。劣勢のなかで、どのようなチャレンジを見出すのか。また全員で力を合わせて、どのようにチャンスを作り出すのか――。実り多き収穫を望む。
日本女子代表のメンバーと日程は次の通り。
▽なでしこジャパン(日本女子代表)メンバー
GK
21 山根 恵里奈(レアル・ベティス/スペイン)
1 武仲 麗依 (INAC神戸レオネッサ)
18 齊藤 彩佳(マイナビベガルタ仙台レディース)
DF
3 鮫島 彩(INAC神戸レオネッサ)
6 有吉 佐織(日テレ・ベレーザ)
4 熊谷 紗希(オリンピック・リヨン/フランス)
三宅 史織(INAC神戸レオネッサ)※
22 清水 梨紗(日テレ・ベレーザ)
12 大賀 理紗子 オオガ リサコ(ノジマステラ神奈川相模原)
5 市瀬 菜々 イチセ ナナ(マイナビベガルタ仙台レディース)
24 宮川 麻都 ミヤガワ アサト(日テレ・ベレーザ)
23 南 萌華 ミナミ モエカ(浦和レッズレディース)
MF
阪口 夢穂(日テレ・ベレーザ)※
2 宇津木 瑠美(シアトル・レインFC/アメリカ)
7 中島 依美(INAC神戸レオネッサ)
8 阪口 萌乃(アルビレックス新潟レディース)
16 松原 有沙(ノジマステラ神奈川相模原)
14 長谷川 唯(日テレ・ベレーザ)
9 杉田 妃和(INAC神戸レオネッサ)
17 三浦 成美(日テレ・ベレーザ)
FW
20 横山 久美(AC長野パルセイロ・レディース)
15 籾木 結花(日テレ・ベレーザ)
13 池尻 茉由(水原WFC/韓国)
11 小林 里歌子(日テレ・ベレーザ)
19 遠藤 純(日テレ・ベレーザ)
※=阪口は22日、三宅は24日までの参加。
池田咲紀子(浦和レッズレディース)、山下杏也加(日テレ・ベレーザ)はコンディション不良により離脱。 2/20から22までトレーニングキャンプに参加。
▽スケジュール
日時※現地時間 対戦チーム(会場)
2月27日(水) 19:05 アメリカ女子代表(Talen Energy Stadium)
3月2日(土) 13:00 ブラジル女子代表(Nissan Stadium)
3月5日(火) 17:25 イングランド女子代表(Raymond James Stadium)
取材・文:早草紀子
text by Noriko HAYAKUSA