鹿島の壁を越す一撃。中村憲剛が語る”直接FKの極意”「決まる時は…」
鹿島戦後、スタンドのサポーターにあいさつをする川崎の中村憲剛。(C)SAKANOWA
ボールを置いた瞬間、行けると直感が働いた――。
[J1 2節]川崎 1-1 鹿島/2019年3月1日/等々力陸上競技場
中村憲剛が2019シーズンのホーム開幕戦、チームのファーストゴールを鮮やかな直接FKで決めた。
自陣を固めてカウンターを狙う鹿島アントラーズに対し、川崎フロンターレが立ち上がりからボールを持って主導権を握る。
試合の主導権を握るなか、敵陣で直接FKのチャンスを掴む。中村の右足から放たれた一撃は、鹿島の5枚の壁を越えて、ゴールネットを揺らす。完璧と言える一撃だった。
そのゴールパフォーマンスでは、約束通り、プロレスラー中邑真輔のポーズで飾った。
「ゴールを決めることで悪いことなんて何一つありません。正直これでチームが乗りかけていたので、非常にもったいない失点だったなと思います。鹿島を相手に隙を見せたら失点するし、逆に言えば、あそこまで持っていかれたのは一度だけ。非常にもったいなかったです」
そのように試合を振り返った中村は、直接FKで奪ったチーム&自身の今季リーグ戦初ゴールについて、次のように語った。自身のキャリアの中でも数本に入る直接FK弾だったのではないか? と聞かれると、彼は”FKの極意”とも言える話をしてくれた。
「フリーキックが決まる時って、だいたい、そんなに変なのはありませんから。だいたいが、良いです。決まっているわけですから。すべてのフィーリングがぴったり合った時に決まる。ボールを置いた瞬間、これは自分がしっかり蹴れば入る、という確信に近いものがありました。フリーキックが入る時はだいたいそうなんです。逆に入らない時は、それが沸いてこない時です。だいたい分かります」
そのように中村はゴールの直感が働いたと言う。
「蹴った瞬間ではなくて、置いた瞬間に、あとはしっかり蹴れれば、ここだったら、絶対に入ると思いました。何年か前に、ここでも鹿島相手に決めています。そういう積み重ねっていうのはあると思います」
中村はそのように言った。等々力を、まさに自身の庭にしているかのように堪能し、2019シーズン、最初の”主役”となった。それだけに……勝利できなかったことを悔やんでいた。
文:サカノワ編集グループ