誤審だった…湘南戦、森重の直接FKは「ゴールです」
FC東京の森重真人。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
『DAZN』の「Jリーグジャッジリプレイ」更新。オリバーJFA審判副委員長が分かりやすく解説。秋元がセーブしたが…。
『DAZN』の「Jリーグジャッジリプレイ」が3月5日に更新され、Jリーグの2節の試合を対象に、判定に疑問のあったシーンについて、JFA審判委員会副委員長のレイモンド・オリバー氏、Jリーグの原博実副理事長、Jリーグウオッチャーの平畠啓史さんの3人によって検証。オリバー氏が詳しく解説をした。
まず、湘南ベルマーレ対FC東京戦の59分、森重真人の直接FKがゴールの枠を捉えたが、横っ飛びした秋元陽太にセーブされた場面(判定はノーゴール)。しかしVTRで見ると、ボールはゴールラインを割っており、ゴールだったのではないかという指摘があった。
このシーンについて、オリバー氏は「ゴールです」と、ボールがゴールラインから完全に入っていたと”誤審”を認めたうえで、人の目で一瞬で判断することは難しいことを説明した。
「直接FKの位置は26メートルです。ボールは1秒で平均35メートル飛びます。つまり得点かどうか(シュートが打たれてから)、1秒以内に決まります」
「副審はゴールラインから(オフサイドラインを見るため)約9メートルの位置にいます。そこからボールが蹴られた瞬間、ゴールラインまで行くには、ウサイン・ボルトより早く走らないといけません。ボルトは1秒間に10メートル44センチ走ります」
そのようにオリバー氏はボルトのスピードを例えに出して、分かりやすく解説した。
「副審はゴールラインまで戻らなければ、正確な判定はできません。逆にいいなと思ったのは、副審は推測をしなかったこと。正しいポジションにはいたと言えます」
オリバー氏は副審が決して誤った行動をとっていたわけではないと説明していた。
もちろん、とはいえ、主審と副審の協力によって、なんとか「ゴール」を正確に確認できたのではないか。「仕方ない」では済ませず、正確な判定をするための確率を上げる議論も必要だろう。
このあと、ゴールラインテクノロジーの導入が必要かどうかというテーマに。原副理事長は「議論はしてもいいのではないか。例えば費用はいくらかかるのか。そこだけでもスポンサーについてもらえないかなど。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の話のみならず、まずゴールラインテクノロジーの導入することも検討してみたい」と語った。
文:サカノワ編集グループ