京都の”時間稼ぎ”退場処分は「厳しすぎる」と見解。ただし…
京都サンガF.C.。(C)SAKANOWA
JFA審判副委員長は「切り取った映像だけで判断するのは難しい」。
[J2 2節] 京都 2-1 鹿児島/2019年3月2日/西京極
Jリーグの疑惑や疑問の判定について議論と検証をする『DAZN』のコンテンツ「Jリーグジャッジリプレイ」が3月5日に更新され、J2リーグ2節の京都サンガF.C.対鹿児島ユナイテッドFCの57分、スローインの際の遅延行為で冨田康平が二度目の警告で退場処分を受けたシーンが取り上げられた。
2-1とリードする京都がスローインを得る。そこで一旦外に出ていたボールを鹿児島の選手がピッチ内に入れる。それを鹿児島の他の選手が蹴って渡して、冨田がスローインしようとして数秒立つと……主審がイエローカードを提示。これが冨田への二度目の警告で、京都は一人退場を余儀なくされた。
解説を担当したJFA審判委員会のレイモンド・オリバー副委員長は、次のように説明した。
「このシーンのみの映像からだと、(時間稼ぎの警告は)厳しい判定だと思います。ただ、この前の段階で主審が選手に何を言っていたかが分かりません。また、切り取ったビデオの映像だけで判断するのは難しいと思います。ここ(スローイン)だけで見る限りでは、厳しいと感じます」
Jリーグウオッチャーの平畠啓史氏も「レフェリーと選手のコミュニケーションがあったのか、映っていないところでのコミュニケーションがどうだったのか。映像だけだと一概に判断できないけれど、これは(イエローカードでは)厳しいと感じます」とコメントした。
原氏は、このシーンでは、京都がチームとして時間稼ぎしていないことにも着眼していた。
「ボールを相手選手(鹿児島)が中に蹴っているんです。そこも時間を稼いでいるところに加味されてしまっている感じがします。冨田選手がボールを持っているのは3秒程度。それだけ(でイエローカード)だと、ちょっと厳しいと思う」
一度、ボールが外に出たあと、ピッチにボールを入れていたのが鹿児島の選手であり、そこは本来「時間稼ぎ」には該当しないという点を指摘していた。
オリバー氏は「審判はその瞬間に判断しないといけない。強い厳しい判定をしているということは、その前に何かがあったかもしれない。遅延行為かどうか、短時間で判断するのは難しいですから」とも説明した。
平畠氏も「ただエンターテインメントとして、選手が一人減るとなると残念です。そこはルールを守るなか気を使ってもらえたらいいのかなとも思います」と語った。
現状では、ゴールキーパーの「6秒ルール」(ボールをキャッチしたら6秒以内にボールをリリースしないといけない)以外は、具体的に「時間稼ぎ」の秒数などの規則は設けられていない。そのため「時間稼ぎ」に関するルールの運用が、主審の主観にある程度委ねられていることも、判定を難しくしているのが現状だ。
主審がジャッジする際、そのルールが、明確に規定されているものなのか、主審の裁量にある程度委ねられているものなのか。そこも判定をチェックする際、気に留めておきたい点だ。
文:サカノワ編集グループ