なでしこ新ヒロイン候補、籾木の視線の先「まだW杯で世界一を獲れる選手じゃない」
アメリカ、ブラジルからゴール。通算2得点2アシスト。ただW杯に出るだけではなくーー。
[シービリーブスカップ] 日本 0-3 イングランド/2019年3月5日/レイモンド・ジェイムス・スタジアム
アメリカで開催された4か国対抗「She Believes Cup(シービリーブスカップ)」最終日、日本女子代表(なでしこジャパン)がイングランド女子代表に0-3で敗れ、今大会1勝1分1敗の3位で終えた。1位イングランド、2位アメリカ、4位ブラジル。
籾木結花が、フランス女子ワールドカップ(6月7日から7月7日開催)でのヒロイン候補に躍り出た。
もちろん、これまでもなでしこジャパンに招集されてきた日テレ・ベレーザの10番を背負う22歳は、十分インパクトを残してきた。今大会、強豪のアメリカとブラジルからゴールを奪い、ブラジル戦は2アシストも記録。通算2得点2アシストと、さらにそのポテンシャルの高さを示した。
結果は残したと言える。それでも籾木は満足などしていなかった。
「(1勝1分は)自分たちが勝ち取ったというよりも相手がワールドカップ(W杯)に向かう試しのなかで勝てただけ。通算1勝1分1敗。W杯に向けて、いい収穫よりも課題のほうが多く出た大会になりました。もっと自信を持ってスタートからボールを握っていきたいです。
ゴールやアシストといった目に見える結果は残せました。今までやってきたことが形になってきました。W杯に向けて、チームとしてどうやっていくかが課題になり、自分もチームの勝利に導くために、今日はシュートを外してしまったし、まだまだだと感じました」
ただ、その視線は3か月後のW杯へ向けられる。なでしこジャパンの一員としてW杯に出る、だけではなく、W杯で優勝するために。その覚悟は固まった。
「ピッチに立った時、イメージをプレーに出すことができてきて、そこは成長できていると感じます。今日は(イングランドの)最終ラインを崩せませんでした。W杯で世界一を獲る選手にはまだなり切れていないのかなと思います」
そして彼女はさらに自分自身の打開力を高めることが、なでしこの連動性であり攻撃力アップにつながると実感したそうだ。
「打開してゴールできなければ相手に警戒されません。それあってのチームでの打開にもつながっていくので、もっと個人のレベルを上げていきたいです」
なでしこの世界一奪還へのキーパーソンになってきそうだ。
取材協力:早草紀子