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パトのJリーグ移籍、可能性高まる!?サンパウロは資金不足

昨季ACLで来日した天津健権のパト(左)と鹿島のチョン・スンヒョン(右)。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

天津天海を電撃退団。ブラジル復帰有力と言われるが…。Jの移籍マーケットは3月29日まで。

 中国超級リーグの天津天海(昨季まで天津健権)に所属していた元ブラジル代表のアレシャンドレ・パトが電撃退団し、フリートランスファー(無所属)となった。ケガをしがちなことと高い年俸がネックとなるものの、Jリーグ移籍の可能性もあり得そうだ。

 ブラジルメディアの『globo』は、「この時期では中国やヨーロッパ主要国の移籍マーケットは終わっており、ブラジル復帰が有力視される」として、名門のサンパウロ、サントス、パルメイラスが名乗りを上げるだろうと報じていた。

 しかし後日、同メディアは「サンパウロがパトを雇用することは不可能」と題した記事も伝えた。それによると、クラブのフロントはパトの高い能力を認めるものの、すでにメンバー構成はできていて、何より高額なサラリーを払える資金がないとのこと。そのため、「現時点では財源が乏しく、すでにアタッカーも揃っており、獲得のプランはない」とレポートしている。

 それは他クラブにも言えることかもしれない。

 ACミランに2007年から11年まで在籍し、チェルシー、ビジャレアルでプレーしたパトは、2017年、移籍金約22億円、年俸約6億~7億円の4年契約でビジャレアルから当時の天津天海に移籍。クラブ史上初のアジアチャンピオンズリーグ出場に貢献し、昨年は準々決勝まで進出し、鹿島アントラーズに敗れた(グループステージでは柏レイソルとも対戦)。

『globo』は、パトと天津天海が2019シーズン末まで結んでいた契約をこの時点で前倒して破棄したという。パトは今季リーグ戦2試合でベンチ外となっていた。

 Jリーグの移籍マーケットは3月29日(金)まで開いているが、フリートランスファーの選手であれば、その後も登録できる。また、今季から採用された外国籍選手枠の新規定により、登録人数は自由、J1の出場は5人まで可能となった。まだ出場枠を残しているクラブも多い。ACLでそのテクニックをすでに実証しており、Jリーグのことを把握している点など、獲得に向けたプラス材料は多い。一方、故障による欠場が少なくないコンディション面、やはり高額なサラリーなど、クリアすべき点もある。

 とはいえ、まだまだ進化を遂げ続けている29歳のアタッカーだ。近年は柔軟性や適応力の高さも見せつけてきた。Jリーグから手を挙げるクラブは出るのか? 今月前に向けて、その動向が注目される。

文:サカノワ編集グループ

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