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宇佐美貴史の日本代表再挑戦。森保ジャパンの試合は「ずっと見ていた」

日本代表の宇佐美貴史。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

中心選手になれていない悔しさと歯痒さ、そして危機感。

 ブンデスリーガ1部のフォルトゥナ・デュッセルドルフに所属する宇佐美貴史が、6月のロシア・ワールドカップ(W杯)以来となる日本代表復帰を果たした。キリンチャレンジカップの3月シリーズ(22日/コロンビア戦@日産スタジアム、26日/ボリビア戦@ノエビアスタジアム神戸)に向けた18日の初練習から合流し、今回の招集を受けての期する思いを語った。

 これまでの森保ジャパンの試合は「はい、ずっと見てきました」とチェックしてきて、その具体的な印象について次のように語った。

「(堂安)律や(中島)翔哉、(南野)拓実といった2列目、それに今回初めて一緒になる冨安くんをはじめ若い選手、みんなが生き生きとエネルギッシュにプレーしている。すごくいいサッカーをしているなという印象を、客観的にも見て感じていました」

 そのように”外”から新生・日本代表を見ていたという。ただし、日本代表への宇佐美自身の思いは変わらない。いつ呼ばれても、たとえ呼ばれていなくても、不変の特別なステージであると言う。

「代表への想いは、離れたから強くなるとか、選ばれているからとか、そういうのはない。いつでも強い想いがあります。代表は常に行きたい場所です」

 それだけに、その日本代表で貢献できた、という結果を残せていない――その現状を宇佐美は受け止める。

「(26歳と年齢的に中心選手になるが?)自覚と呼べるほど実績を残せず、年齢的には中心になっていかないといけないし、なれていない悔しさや歯痒さはあります。そうなっていかないと、という危機感はもちろんあります。代表の中心としてやっていく自覚、と言えるようにプレーで出していかないといけない。競争の一番下からスタートする立場だと思います」

 生粋のアタッカーはそのように客観的にチーム内での位置を自己分析する。宇佐美にとって、森保ジャパン初招集は、日の丸をつけた再挑戦の場となる。

「2列目の選手たちが躍動しているプレーを見ると、どちらかというと、自由にと言いますか、固定して動きが左右されることなく、チームの中でしっかりボールを保持しながら、前目の選手がボールを触れられるサッカーをしていると思うので、そこに自分のストロングポイントを落とし込んでいければと思います」

 そのように、自身の特長を生かすビジョンを描く。それをこれからの限られた練習の時間の中でチームメイトと擦り合わせ、そしてピッチに落し込む。

 森保ジャパン初招集とはいえ、フワっとしたイメージや抽象論はなく、リアルにに「貢献する」イメージはできている。さまざまな監督のもとで、そしてさまざまな状況を乗り越えてきた、人一倍のタフさを感じさせる。

 この2試合で、果たして、どのようなシチュエーションで出番が回ってくるのか。静かに熱く、このシリーズに懸けている宇佐美が、何かをしてくれそうな予感を言葉の端々から漂わせていた。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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