日本代表が3バックを採用した場合はどうなる?
3-4-2-1で組んだ場合の一案。(C)SAKANOWA
森保監督が導入を示唆。しかし、組んでみると課題も…。
[キリンチャレンジカップ] 日本 – コロンビア/2019年3月22日19:20/日産スタジアム
日本代表が3月22日、日産スタジアムでコロンビア代表と対戦する。ロシア・ワールドカップ(W杯)のグループリーグ初戦、開始3分にコロンビアのカルロス・サンチェスのハンドによる退場劇&PK献上もあり、日本が1-0の勝利を収めて以来の”再戦”となる。
今回のキリンチャレンジカップ3月シリーズで、日本の森保一監督は3バックの採用を示唆している。森保監督がサンフレッチェ広島を率いた2012年、13年、15年、三度のJリーグ制覇に導いた時の基本システムが3-4-2-1だった。
特に4バックのチームを相手にする際、敵陣のギャップを突くことに長けたシステムである。このオプションを増やせれば間違いなくチームにとってはプラスになり、もちろん選手の組み合わせや機能性によっては、新たなメインシステムにもなり得る。
そこで今回の招集メンバーから、3-4-2-1をこれまでの実績などから組み合わせてみた。が、課題もさっそく浮かび上がってくる。
まず1トップ2シャドーは、3人の”相性”が重要になる。繰り返し同じ組み合わせでプレーすることで、コンビネーションの熟度は高まる。さらに4-2-3-1と比べて、アタッカー陣――特に日本人選手のタレントが最も豊富な2列目を減らさないといけない。例えば香川真司、南野拓実という新旧セレッソコンビを組ませた場合、中島翔哉、堂安律、乾貴士らが入れず(彼らが入れば逆にどちらかが外れるが)、攻撃面のパワー不足は感じてしまう。ただ、ウイングバックも攻撃に加わり5トップ気味になるシチュエーションもあり、噛み合った時の爆発力もまた大きいのは魅力だ。
一方、これまで招集してきた佐々木翔、室屋成、西大伍は4バックのサイドバック、3バックのウイングバックにも適応できるタレントである。そういった”併用可能”なことも考慮して、森保監督は招集してきたことも感じられる。3バックにすることで、彼らがより攻撃面にパワーを発揮できるのは楽しみで、それがチームにどのような相乗効果をもたらすかも興味深い。
また、1対1の対応力に加えてビルドアップ能力が求められる3バックの要、リベロを誰にするか? 今回は昌子源を据えてみたが、誰が務めたとしても、いざ実戦でフタを開けてみないと分からない未知な部分は大きい。逆にいうと、ここの適任者がいなければ(今回の未招集組では遠藤航など)、3バック採用は難しいとも言える。
森保監督が3バックを採用する場合、どういった点を重視するのか。果たして、試合開始からにするのか、途中から変化をつけるのか。そういった相手との駆け引きもまた注目点になりそうだ。
文:サカノワ編集グループ