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神戸の日本代表DF西大伍「僕がFWにもう一人いれば」の真意と手応え

神戸の西大伍。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

浦和戦で掴んだプラス要因の一つが守備。「相手のミスではなく、狙った形からボールを奪えていた」

[J1 8節] 浦和 1-0 神戸/2019年4月20日/埼玉スタジアム2〇〇2

「最近の2試合とは違うと感じたし、前向きではあります。けれど、負けに慣れてないけない」

 ヴィッセル神戸のDF西大伍は0-1で敗れた浦和レッズ戦でそのように手応えを感じつつも、一方で「負け癖」がつくことを懸念していた。

 開幕からリーグ8試合連続で、右サイドバックとしてフル出場。3月のキリンチャレンジカップのボリビア代表戦では、8年ぶりに日本代表としての出場を果たした。

 浦和戦での神戸の22番は、サイドでボールを収めてビルドアップの起点となり、後半はより高い位置からパスを散らした。何よりボールを狙ったところで奪えていた――そこに西は一つポジティブな要因を感じ取っていた。

「(良くなったと感じるのは)内容です。ボールを奪うところも、相手のミスではなく、自分たちで狙って獲れていました。(相手は1点取って引いたが)浦和らしくなかったが、そのなかで崩すシーンを作っていけました。もうちょっと。本当にもうちょっと。相手の嫌がるところでボールを受けるとか、寄り過ぎないとか、引いたスペースを上手く使うとか、そういったところ」

 そして、「(これまでよりウェリントンの活用法が)できていたからこそチャンスもできていました。あとはFWに、僕がもう一人ほしいかなと思いますね」と、西大伍節も飛び出した。笑って言っていたが、けっこう本音ではある。

「(山口蛍とセルジ・サンペールのボランチについて)二人のどちらかが後半のように、ちょっと前に出てくれば、チャンスはできてきます。あとはルーカス(ポドルスキ)が下がってきてしまうので、人数が前にいない状況になってしまっていた。プラス、前に裏を狙える選手が加われば」

 ウェリントン&ポドルスキが前線に配置されたが、パワーはあるものの、ラインブレイクをしきれなかった。しかも、この日の浦和はそこに脆さがあっただけに……もったいなかった。相手と駆け引きをしながら背後のスペースを突くタレントがほしかった。自分であれば、それもできる、という意思表示でありジレンマと言えた。つまり、そのピースさえ埋まれば――という期待でもある。

 チームは3連敗。明日24日にルヴァンカップ・グループステージ4節、アウェーでのセレッソ大阪戦を経て、28日はリーグ9節、ホームで2連覇中の王者・川崎フロンターレを迎え撃つ。そろそろ、西がVIP(ダビド・ビジャ、アンドレス・イニエスタ、ポドルスキ)やサンペール、山口、さらに古橋亨梧らと、互いが互いの良さを引き出し合う相乗効果――セッションを、ぜひホームの大観衆の前で見せたいところだ。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI

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