浦和の9番、武藤雄樹が全3ゴール演出「埼スタにはACL独特の雰囲気がある」
浦和の背番号9、武藤雄樹が1得点1アシストなど全3点を演出!写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
1点リードでは心許ないなか、値千金のチーム2点目!!
[ACL GS6節] 浦和 3-0 北京国安/2019年5月21日19:00/埼玉スタジアム2〇〇2
アジアチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ(GS)最終6節、浦和レッズの”ナンバー9”武藤雄樹が1得点1アシスト、加えて長澤和輝の先制点につながる縦パスも放つ全3ゴールに絡む圧巻の活躍を見せた。
「良い試合の入りができて、アシストであったり、気持ちよくプレーできました。(北京国安は)つなぐのは上手いけれど、中盤や背後など狙えるスペースがあることはスカウティングで分かっていました。僕自身は積極的に裏を狙っていこうというなか、良い入り方ができて、自信を持ってプレーできました」
1点のリードでは、追い付かれればたちまち直接対決のアウェーゴール差で”逆転”されてしまう。そんな心許ないなか、先制から7分後の41分、長澤和輝の粘り強い突破からのパスを武藤が倒れ込みながらねじ込み、待望のチーム2点目を決めてみせる。
「前で興梠さんが相手を釣ってくれていたので、僕のところがどんどんフリーになっているのを感じていました。本当に『出してくれ!』というところで、良いボールをくれたので、最後は決めるだけでした」
しかし試合終盤、徐々に浦和の5バックが押し込まれ、自陣ペナルティエリア内で北京国安にプレーされる時間が長くなる。踏ん張りどころだが、ちょっと苦しいか……と思われた81分、カウンターから左サイドを突き抜けてクロスを放ち、興梠のゴールをアシストした。
「今日に関しては良い部分が本当にたくさん出たのが、この試合を平均として、パフォーマンスを発揮し続けないといけない。グループステージ突破を決められたのは良かったけど、まだ何も成し遂げていません。これをリーグ戦にもつなげないといけない。しかしすべてがパーフェクトだったわけではないので、詰めていきながら良いプレーを見せていきたい。ただ、今日は本当に自信になるゲームができました」
痺れる一戦だった。
選手の背中を後押ししたサポーターの声も、埼スタ全体を包み込んだ雰囲気も、北京国安の一瞬でも隙を与えばやられてしまうプレッシャーも、いずれも特別で、そのすべてが浦和の選手たちの力を引き出した。
武藤は頷いて言った。
「結果が出せて良かったです。ACL独特の雰囲気が、この埼スタにはあると感じています。もちろんリーグ戦でも結果を残さないといけないですが、こういったなかで、今日は期待に応えられて嬉しく思っています」
2年ぶりのACL。優勝した2017年も大活躍して”アジアキラー”ぶりを発揮した。その武藤がこの重要な一戦で、全ゴールを演出するという再び大仕事をやってのけた。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI