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【U-20日本代表全選手GS通信簿】宮代最高4.5、齋藤、若原、山田4.3のハイアベレージ

(上から)エクアドル戦、イタリア戦、メキシコ戦のU-20日本代表の先発メンバー。(C) FIFA via Getty Images

東、小林、瀬古の守備陣も大健闘!平均採点で振り返り、決勝トーナメントを展望。

 ポーランドU-20ワールドカップ(W杯)を戦うU-20日本代表のグループステージ(GS)3試合を終えた時点での、全選手の「通信簿」を作成した。各試合最高点が5、最低点が1で採点し、それぞれの選手の平均点を計算。それぞれGSでの活躍ぶりと今後への期待を寸評にまとめた。

 2試合出場だが宮代が4.5の最高点を出し、3試合出場の若原智哉、齊藤未月、山田康太が4.3のハイアベレージを記録している。

▽通信簿
ポジション
背番号 名前(出場数・得点or失点)平均採点(原則、出場20分以上出場が対象)

GK
1 若原智哉(3試合・1失点) 4.3
守護神として3試合フル出場。大会前から試合勘の不足が心配されていたものの、好セーブを連発してチームのピンチを救う。初戦のエクアドル戦ではPKを止め、この大会の大きな流れを引き寄せた。

12  茂木 秀(0試合・0失点) −
控えGKとしてベンチから仲間を鼓舞し、守護神の若原にも積極的に声を掛けた。また、ムードメーカーとして雰囲気作りの面でもチームに貢献している。

21  鈴木彩艶(0試合・0失点)−
チーム最年少のGKは先輩たちの輪に溶け込み、精力的に練習に励む。若原や茂木とも積極的にコミュニケーションを取るなど、貪欲に技を吸収する姿勢も好印象だ。

DF
2 東 俊希(2試合・0得点)3.5
2戦目の前日練習では虫に目の周りを刺されるアクシデントに見舞われたものの、初戦と3戦目は左サイドバックで先発出場。持ち前の攻撃センスを如何なく発揮し、質の高い左足のクロスで決定機に何度も絡んだ。

3 小林友希(3試合・0得点) 3.7
的確なラインコントロールでピンチの芽を摘み、攻撃では左足から繰り出すフィードでビルドアップの起点となる。3試合連続でスタメン出場を果たし、存在感は日を追うごとに増している。

4  瀬古歩夢(2試合・0得点)3.5
フィジカルの強さを生かし、エクアドルやメキシコのFW陣と互角以上の戦いを見せた。世代別代表で何度もコンビを組んできた小林との連携も上々。守備の柱としてチームのグループステージ突破に貢献した。

5 菅原由勢(3試合・0得点) 4
最終ラインで最も安心して見ていられたのはこの男だ。3試合を通じて、崩される場面はほとんどなく、読みの鋭さと球際の強さは強豪国相手にも通用。また、底の抜けの明るさでチームの雰囲気作りにも一役買っている。

15  鈴木冬一(2試合・0得点)
初スタメンを飾った2戦目のメキシコ戦では、注目アタッカーのライネスと互角以上の勝負を展開。3戦目のイタリア戦では右サイドハーフで途中出場を果たし、怪我人が続出しているチームでポリバレントな能力も垣間見せている。

17  三國ケネディエブス(1試合・0得点) 3
3戦目のイタリア戦で先発出場を果たす。エアバトルでは高さを生かして競り勝つも、地上戦では不安定な守りに終始。結果は残しているが、プレーが軽く背後を突かれる場面も目立った。

MF
6 郷家友太(1試合・0得点) 3
唯一の出番となった初戦のエクアドル戦は右サイドハーフを任され、主に守備面で貢献。2戦目以降はコンディションが整わず出番を得られなかっただけに、決勝トーナメントでの巻き返しに期待が懸かる。

7 伊藤洋輝(3試合・0得点)  2.5
初戦はビルドアップと守備面で苦戦し、3戦目は自ら志願したPKを失敗。グループステージは不完全燃焼気味に。ただ2戦目以降はプレーの精度が上がってきており、決勝トーナメント以降で借りを返せるか。

8 藤本寛也(1試合・0得点)
2戦目のメキシコ戦で2アシスト。左足から放つピンポイントのパスと、試合の流れを読む力はチームに勢いをもたらした。3戦目はコンディション不良でスタメンを外れたが、決勝トーナメントに向けて調整を続けている。

9 斉藤光毅(3試合・0得点) 3.3
最前線と右サイドハーフで奮闘。大柄な相手DFにも臆さず、勇猛果敢に仕掛け続けた。ただ、3戦目のイタリア戦でドリブル突破を図った際に左肩を負傷。無念の負傷交代となり、31日に一足早く帰国の途に就いた。

10  齊藤未月(3試合・0得点) 4.3
U-20日本代表の主将として圧倒的な存在感を見せる。相手の懐に潜り込んでボールを奪う術は世界の舞台でも通用。誰よりもピッチを駆ける“日本の10番”がいなければ、チームの決勝トーナメント進出は有り得なかったはずだ。

16  山田康太(3試合・1得点) 4.3
グループステージで最も成長を示した横浜の有望株。左サイドハーフを託されると、持ち前の高い技術力に加えて、ハードワークでチームに貢献。初戦では貴重な同点弾を奪うなど、ここぞの場面での仕事ぶりは目を見張るものがあった。

19  喜田 陽(0試合・0得点)
出場機会はなかったが、ベンチから声を掛けるなど、見えないところでチームに貢献。怪我人が続出しているだけに、中盤とSBに対応できるオールラウンダーの力はここから必要不可欠に。

20  中村敬斗(3試合・0得点)
最もゴールを欲していた、その気持ちが伝わってきた。とりわけ、メキシコ戦では終盤に出場すると、貪欲に仕掛けて何度もゴールに迫った。田川、斉藤が離脱しただけに、決勝トーナメントでの爆発が待たれる。

FW
11  田川亨介(3試合・1得点)
3.3
初戦は不運にもオウンゴールを献上したが、2戦目にゴールを奪って汚名返上。3戦目は得意の裏に抜け出す動くからPKを獲得するなど、チャンスに何度も絡んだ。しかし22分に右太ももを負傷して交代を余儀無くされ、斉藤とともにチームから離脱した。

13  宮代大聖(2試合・2得点) 4.5
途中出場だった初戦は懐の深いボールキープでチャンスメイク。そして、最大のハイライトは2戦目のメキシコ戦で、抜群の動き出しから2ゴールを決めて勝利の立役者となった。3戦目はコンディションが整わず欠場したが、決勝トーナメントに向けて順調に回復を見せている。

14  西川 潤(2試合・0得点) 3
初スタメンとなったイタリア戦では得意のドリブルで仕掛ける場面もあったが、試合を通じてインパクトは残せず。ボールを持ち過ぎる傾向があるだけに、周囲をうまく使うことができれば、結果を残せるはずだ。

18  原 大智(2試合・0得点) −
2戦目と3戦目の終盤に途中出場。出場時間は短かったが、相次ぐFW陣の負傷によって今後は出場機会を得る可能性が高まった。5月30日の練習ではスタッフと個人練習を行うなど、決勝トーナメントに向けて急ピッチで調整を続けている。

影山雅永監督
久保建英、安部裕葵、橋岡大樹、大迫敬介を招集できず、大会に入ってから怪我人が続出。その厳しい状況を跳ね返し、グループステージを突破した。スタッフと協力し、一戦ごとに緻密なゲームプランを組み立てるなど、チームマネジメントが光る。第3戦の4人のみの先発交代が、今後どのように影響するか。

取材・文:松尾祐希(フリーライター)

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