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【川崎】悔んでも悔み切れない谷口彰悟「正直、セットプレーしかないと感じていただけに」

土壇場に追い付かれ肩を落とす川崎の谷口彰悟。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

ラストプレーで同点に追い付かれる。「チームとして細かいところに目を向けていかなければ」

[J1 14節] 川崎 1-1 浦和/2019年6月1日/等々力陸上競技場

 川崎フロンターレが浦和レッズ戦、終始主導権を握りながらも追加点を奪えずにいると……ラストプレーのコーナーキックから同点弾を決められ、1-1の引き分けに持ち込まれた。10試合負けなしという点はポジティブに捉えられるが、首位のFC東京を追撃するには、痛い取りこぼしとなった。

 最後の最後に詰めの甘さを露呈した。キャプテンマークを巻いて最終ラインに立ち続けたDF谷口彰悟は、悔やんでも悔やみきれないという思いを口にした。

「悔しいですね。非常に悔いが残るというか……。うーん、最終的にはコーナーキックからやられていますが、それを防げたはずでした。チームとして、そういった細かいことに目を向けていかないと先はない」

「もちろん決めさせなければ良かったが、あれだけ勢いを持って来られると、何かが起こることは考えられる。あのなかできちんと跳ね返したり、そういった力強さを見せないといけなかった」

 そのように谷口は肩を落とした。

「最後、セットプレーやコーナーに持って行かせないことはできたはず。これは学んでいかないといけない。みんなが教訓としていかないと。非常にもったいない。勝点2を失ったと思っています」

 この試合を前に監督交代したことでチームとしてのモチベートも高い浦和に対し、「立ち上がりは勢いがあり押し込まれたが、システムや配置はすぐ掴めました。闘う強い気持ちで向かってくる相手に、バトルにも負けていなかった」と、序盤の勢いを削ぐことに成功し、その後、主導権を握り先制にも成功した。

 完全に息の根を止める。そういうゴール――追加点を決め切りたかった……。

「欲を言えば、追加点を奪えれば良かったですが……。正直なところ、やられる気配はあまりなく、『セットプレーだけかな?』というところがあっただけに、最後、後ろ(DF)としては悔しい。守り切りたかったです」

 こうした詰めの甘さを、いかに払拭するか。この日の引き分けを糧に、改めて勝負強さを磨くしかない。トドメを刺すか、抑え込むか――。むしろ2連覇中の王者・川崎の唯一にして最大の課題がその「詰め」であると浮き彫りにする痛恨のドローゲームとなった。

取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI