【U-20W杯】日韓戦へ体調は大丈夫?宮代大聖、藤本寛也、鈴木冬一が全体練習に合流
U-20W杯の決勝トーナメント1回戦、日本対韓国戦に向けて抱負を語る日本の影山雅永監督(左)と齊藤未月(右)。写真:松尾祐希/(C)Yuki MATSUO
「さらに良いコンディションを作れる」
アンダーカテゴリーでも日本にとって韓国は宿敵だった。何度も世界大会行きを阻まれてきた。
永井謙祐(FC東京)、青木拓矢(浦和レッズ)、権田修一(ポルティモネンセ)らを擁した2008年のU-19アジア選手権では、U-20W杯の出場権をかけた準々決勝で韓国に0-3完敗。宇佐美貴史(デュッセルドルフ→アウクスブルク)らが中心だった2010年大会も同じく準々決勝にて2-3で敗れている。さらに日本はその後、2大会(通算4大会連続)ともベスト8の壁を破れず、勝負どころで涙を呑んできた(韓国は2014年大会、グループステージ敗退を喫している)。
また堂安律(フローニンゲン)たちが挑んだ2014年のU-16アジア選手権でも準々決勝で敗れ、翌年のU-17ワールドカップ出場を逃している。
もちろん、悪い結果ばかりではない。2003年のU-20W杯(当時:ワールドユース)では決勝トーナメントの1回戦で対戦し、坂田大輔の2ゴールで、延長戦の末に2−1の逆転勝利を収めた。
意地とプライドが激しくぶつかるライバル対決。今回U-20W杯で実に16年ぶりの日韓決戦が実現し、ベスト8進出を懸けてしのぎを削ることになった。
決戦は6月4日。その2日前に公式会見が行われ、影山雅永監督と斎藤未月(湘南ベルマーレ)が登壇。指揮官はA代表の戦いを引き合いに出しながら、決意を示した。
「去年のワールドカップ(W杯)もベスト16でベルギーと対戦して、惜しくも敗れて負けてしまった。その2年前も(U-20ワールドカップの)16強で、負けてしまったのは記憶に新しい。相手が韓国なので面白い試合になると思うが、そこは関係ない。自分たちのプレーと自分たちのやることを意識して、しっかり勝って次のステージに進みたい」
ライバルを過剰に意識せず試合に集中する――。「力強さとテクニックの高さ。韓国にはその両方を持ち合わせた選手がいて、チームとしてもそうだと思う」と警戒しつつも、指揮官はチーム一体となって挑むことを誓った。
韓国戦を戦う上で、気になるのが日本の選手たちのコンディションだ。中2日の3連戦が続いた影響で疲労の色が濃くなっていたが、今回は「中5日」で試合に挑めるアドバンテージがポジティブに働いている。冒頭15分の公開だった4日のトレーニングでは、選手たちは一様に明るい表情を見せていた。
離脱していた宮代大聖(川崎フロンターレ)、藤本寛也(東京ヴェルディ)、鈴木冬一(湘南ベルマーレ)も全体練習に復帰。前日は室内で調整していた三國ケネディエブス(アビスパ福岡)も別メニューながらピッチに姿を見せた。
影山監督も選手たちの状態に手応えを得ており、「今日のトレーニングでも、選手たちは見違えるように軽やかな動きをしていました。まだ1日にあるので、明後日に向けてはさらに良いコンディションを作れる」と試合感覚が空いたメリットを口にしていた。
日本は韓国を倒し、16年ぶりとなるベスト8進出を果たせるか。すでにJリーグで経験を積んできた選手も多く、意識は高い。韓国戦に照準を合わせ、しっかりとコンディションを整えてきた。あとは最善の準備をするのみだ。
取材・文:松尾祐希(フリーライター)