【U-20W杯日韓戦DATA】ボール保持率61%、しかし枠内シュート1本。負けるべくして負けた
U-20日本代表 ※グループステージ初戦のエクアドル戦より(C)FIFA via Getty Images.
意外にファウル数も、日本は韓国の2倍の「22回」。
[ポーランドU-20W杯 ベスト16] 日本 0-1 韓国/2019年6月4日/ルブリン
ポーランドU-20ワールドカップ(W杯)決勝トーナメント1回戦、U-20日本代表が0-1でU-20韓国代表に敗れた。日本は2大会連続でのベスト16敗退、99年の準優勝、03年のベスト8など、近年この世代で果たせていなかった大きな1勝を掴むことはできなかった。
グループステージ2勝1分と無敗で2位突破した日本に待っていたのは宿敵の韓国。13年ぶりとなる「日韓戦」に、郷家友太(ヴィッセル神戸)や宮代大聖(川崎フロンターレ)ら、前節から先発5人を入れ替えてスタート。試合開始からボールポゼッションで大きく上回る日本だが、ゴール前を固める韓国守備陣を崩せず苦戦を強いられた。
後半に入り、セットプレーの流れから郷家友太のシュートがゴールネットを揺らしたが、最初に流したプレーでオフサイドを取られた。VARの弊害とも言えるぬか喜びに終わり、少なからず、その後のプレーにも影響。次第に空いてきたスペースを攻略され、ミスから失点を喫した。
試合を支配しているようには見えた。ただデータ的には決してどうではなかったことが分かる。FIFA公式サイトに掲載されているデータで比較してみよう。
日本 韓国
▽得点 0 1
▽シュート数 10 10
▼枠内シュート 1 4
(ポスト&バー 1 0)
▼枠外シュート 5 4
▼ブロック 4 2
▽ファウル数 22 11
▽オフサイド 4 1
▽ボール保持率 61 39
▽コーナーキック 8 7
▽イエローカード 1 1
日本はボールポゼッション(保持率)で10パーセント以上も上回ったが、枠内シュートはわずか1本だった。シュート数自体も同数だった。
また、ファウルを犯した数が、意外にも日本(22回)のほうが2倍も多かった。日本に流れが来ているなかで、不要なファウルが散見された感は確かにあった。
78分には右サイドをえぐった中村敬斗が決定的なシュートをブロックされ、さらに宮代大聖もショットをポストに嫌われる”不運”なシーンがあった。
しかし終わってみれば、強引に行くよりも、逆サイドに完全にフリーで待っていた、山田康太、西川潤につなぐべきだった。求められたのは、勝利だけ。「勝つこと」にフォーカスを当てていたはずである。ただ、勝利を収めるために、より確率の高いプレーを選択をできない選手も目立った(例えばそこに、まさにその精神を体現してきた鹿島アントラーズの安部裕葵がいたら、また違った展開になっていただろうか……)。
もちろん選手たちは高い集中力を保ち、韓国の選手に球際で負けていなかった。90分通してハイテンションの戦いを見せ続けていた。幻のゴール判定に泣かされ、勝機は十分にあった。
だからこそ、惜しい。球際に徹底して負けなかったなどある面では、ナイスゲームではあった。しかし……負けるべくして負けた。それもまた事実だ。
文:サカノワ編集グループ