「三→二銃士」堂安律が語った影響とは?新布陣のテーマは「スルーパス」
トリニダード・トバゴ戦で先発した日本代表の堂安律。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
2列目が一人減ることで生まれるスペースをいかに生かすか。
[キリンチャレンジカップ] 日本 – エルサルバドル/2019年6月9日/ひとめぼれスタジアム宮城
日本代表の堂安律は6月5日の豊田スタジアムでのトリニダード・トバゴ戦(△0-0)で3-4-2-1のシャドーとして先発し、71分までプレーして何度かビッグチャンスを作り出した。そして試合後、森保一監督のもとで初めて採用された新布陣の手応えと課題を語った。
「前線の選手が一人減り、センターバックを一人増やした布陣なので、(1トップ2シャドーによる)3人の連係やコンビネーションが大事になると考えて試合に臨みました。狙いとしていること、やろうとしていることは悪くなかったと思います。ただ、得点がゼロだったのは僕であり、前の選手たちの責任だったと思います」
そのように4-2-『3』-1から3-4-『2』-1に、2列目が一人減る影響について挙げた。ただ基本的な立ち位置的については、「サイドや中央に入ってスペースを狙っていこうと。そこは特に大きな変化はなかったです」と振り返る。
そのなかで堂安は次のような課題を感じ取っていた。
「(2列目が3人から2人に)一か所減っているので、最後に刺すスルーパスがまだ少なかったと感じます。より攻撃的なところに行ければ。サコ(大迫)がスルーをして『PKではないか』というシーンを作れましたが、あのような(ゴール前)に入っていくことを、もっと増やしたいとは感じました」
堂安、中島翔哉、南野拓実の「三銃士」から今回南野がサブに回り、堂安&中島の2シャドーが3バック初陣で採用された。
「翔哉くんはボールを持てるので、あまりパスをもらおうとしすぎて(中盤の低い位置まで)降り過ぎず、前にいるように話はしていました。彼がボールを持つと打開できるので、そのクロスやパスに入っていけるシーンはもっと作っていきたいです」
いかに瞬時に相手の背後を取り、ピンポイントで合わせるか。エルサルバドル戦でも3バックが採用されそうであり、そうなると堂安の言う”刺す”ような〈スルーパス〉がひとつのテーマとなりそうだ。
「トライしようとしていることが明確にできて、そのなかで課題も見つかりました。結果にもっとシビアになり、もっと点を取らないといけないという声ももちろん理解はしています」
アジアカップ決勝以降、日本代表の攻撃面はパッとせずにいる。通算2ゴールを決めたアジアカップ以来となる堂安の鋭いショットも、そろそろ期待したいところだ。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI