日本女子代表いよいよW杯初陣!開幕戦で示された「傾向と対策」
女子W杯の開幕戦、フランスが韓国に完勝。その一戦から日本が知り得たことは多かった。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
25時からアルゼンチン戦。開幕のフランス対韓国から、なでしこが知り得たこと。
フランス女子ワールドカップが開幕し、7日のオープニングゲームはホスト国のフランス女子代表が4万5千人を超す観客の大歓声を受け、4-0で韓国女子代表に勝利を収めた。この開幕戦は、いろいろな意味で、日本にとっても今大会の一つの「指標」となった。
フランスとは4月に対戦し、1-3で敗れている。スピードについていけず、苦い失点を繰り返した。その教訓を、現在、チームに落とし込んでいる最終段階と言える。
韓国とも昨年だけで二度対戦し、4月のアジアカップではスコアレスドロー、8月のアジア大会では2-1の辛勝 。その韓国がフランスと戦った前半、日本が4月に敗れた時と失点の状況が似ていた。
両サイドへのスピード感のある展開についていくのに精一杯で、1対1に持ち込まれるとあっさり交わされて進入を許してしまう。開始9分にフランスが先制すると、韓国を圧倒した。特に2ゴールを挙げてFIFA選出のプレーヤーオブザマッチに選ばれたウェンディ・レナードのセットプレー時の高さは脅威だ。
韓国は実に13本ものCKを献上し、その度にピンチに陥った。今大会、この開幕戦の結果を受けて、各国は日本相手でもそういった力技に持ち込んでくる可能性も高くなった。日本もそこは十分警戒したい。
この一戦から学ぶべきことは多かった。
女子ワールドカップで初めて導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が開幕戦でさっそく効果を発揮した。27分、フランスの完璧なシュートが突き刺さったゴールが取り消された。
フランスの選手は歓喜し、韓国も次のプレーへの修正を話し合うなど、ピッチでは誰も疑っておらず、主審がVAR判定を告げると、スタジアムは大きくざわついた。
結果はシュートを決めた選手の左足が、相手選手よりほんのわずかに出ていたことで、オフサイドと判定された。その後の試合でもVARによりゴールが取り消されるなど、試合の行方に影響を与えている。
「非常に細かいところまで見るんだと分かりましたが、それでプレーが消極的になっては言語道断。あくまでもこれまでと変わりなくしっかりと強く、それにフェアプレーでやっていきたいです」
スタメンに抜擢されれば世界大会デビューとなるDF南萌華(浦和レッズレディース)は、そのように語っていた。
GKのキックによる再開など(ペナルティエリア内でもOK)新ルールによる変化などもチェックしてきた。そして、いよいよなでしこジャパン(日本女子代表)が日本時間11日午前1時(現地10日18時)からパリのパルク・デ・プランスで、アルゼンチン女子代表とのグループステージ初戦に挑む!
取材・文:早草紀子
text by Noriko HAYAKUSA