【鹿島】好調キープの白崎凌兵が明かす無失点の舞台裏「『消えている』と傍からは見えたかもしれないけど」
ACLの広島戦で先発した白崎凌兵。(C)SAKANOWA
鹿島の右サイドを狙う展開。対峙する清水航平のダイアゴナルの動きを警戒する「神経戦」。
[ACL 決勝T1回戦-1st] 鹿島 1-0 広島/2019年6月18日/県立カシマサッカースタジアム
鹿島アントラーズのMF白崎凌兵がアジアチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)サンフレッチェ広島戦のファーストレグに先発し、後半アディショナルタイムまでプレーして勝利に貢献した。
4-4-2の左MFで先発した白崎は最近の好調ぶりを示すように、ボールを持つと自信を持った仕掛けからチャンスを作り出していった。立ち上がりにはセルジーニョや土居聖真らとの連動し合い、広島ゴールに迫りビッグチャンスも作った。
ただ、そんな白崎を避けるかのように――広島は「鹿島の右サイド」から攻略を試みてきたのだ。
「(逆サイドで)崩された時に、(白崎が対面していた)相手の右ウイングバックが必ず斜めに入り込んでいたので、そこで付くことを絶対にサボってはいけないと思ってやっていました」
無失点に抑えることができた、ひとつの要因。オフザボールの場面で、白崎は非常にタフな駆け引きを強いられたと明かす。
「傍からは、ボールに触れずにいると、『消えている』とか、何もしていないように見えたりするかもしれないです。けれど意外とやらないといけないことがある。ボールがないサイドほど、集中を切らしたら、やられてしまう。そういう辛抱強く戦わないといけないゲームでした」
常に頭を使う神経戦を制したからこその無失点。ただし、そのうえで、白崎はゴールを決めたかったと反省点を挙げていた。
「前半の最初はこっち(自分のサイド)でもチャンスを作れていました。そこから後半、相手もギアを上げて、ちょっと押し込まれ我慢する時間もありました。難しい展開でしたけれど、自分のところにもチャンスが来たので、そういうワンチャンスを仕留められるにならないといけない」
一方で、ノルマの無失点に抑えられたこと。白崎はそこが第2戦もベースになると考えていた。
「後半だったり、我慢しないといけないという時間帯に、しっかり目の前の相手にやられないことと、付いていくこと、そこはしっかり意識しました。僕らのほうから崩されることはほぼなかったので、それはチームとしても良かったと思います。そういったことを一人ひとりが意識すれば、やられることはないと思います」
第2戦は6月25日、舞台は広島だ。鹿島は引き分け以上で、ベスト8に進出できる。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI