【松本】「次は日の丸をつけて」前田大然がポルトガル1部マリティモに期限付き移籍
松本の前田大然。写真:塚越始/(C)Hajime TSUKAKOSHI
広島戦での執念のボレーが、アルウィンでの”ひとまず”ラストゴールに。
[J1 20節] 松本 2-2 広島/2019年7月20日/サンプロ アルウィン
松本山雅FCのFW前田大然が7月21日、ポルトガル1部リーグのCSマリティモに期限付き移籍することが決まった。移籍期間は2020年6月30日まで。
前田はクラブを通じて次のように、松本のファンとサポーターにあいさつしている。
「このたび、マリティモに期限付き移籍することになりました。2020年の東京オリンピックで日の丸をつけて活躍するには、自分自身もっと成長しなくてはならないと思い海外にチャレンジする決断をしました。
J1でのチャレンジの途中でチームを離れるにあたり、チームメイト、監督、コーチ、スタッフをはじめクラブの皆さんに理解していただき、今回の移籍をサポートしてくれたことには感謝しかありません。またサポーターの皆さんには昨日の試合のときに直接ご挨拶ができずに旅立つことになり申し訳ありません。
松本山雅はファン・サポーターあってのクラブで、その一員として戦えたこと誇りに思います。ありがとうございました。
次に日本に来るときは日の丸を着けて、ピッチで躍動してる姿を見せられるよう、しっかりポルトガルで結果を出してきます。
本当にありがとうございました」
20日の20節・サンフレッチェ広島戦では、0-1で迎えた70分、田中隼磨のマイナスのクロスにミドルボレーで合わせる執念の一撃で同点に追いついてみせた。
そして1-2と再びリードを許した90+5分、パウリーニョが相手をかわして左足でミドルを放ち、ゴール隅に突き刺した。松本の反町康治監督は「この暑さのなか1万5000人近く(1万4907人)が集まってくれて、全員の魂が乗り移ったような試合になりました」と語ったが、その”ヒーロー”の一人は紛れもなく前田だった。
そして、それが前田の松本での、アルウィンでの、”ひとまず(レンタル移籍なので)”ラストゲームとなり、ラストゴールとなった。
前田は1997年10月20日生まれの21歳、大阪府出身。173センチ、67キロ。今季はJ1リーグ18試合2得点、J2リーグ通算70試合20得点。これまでのキャリアは、太子JSC―川上FC― 山梨学院大附属高 ―松本山雅FC―水戸ホーリーホック―松本山雅FC 。日本代表(国際Aマッチ)2試合0得点。
CSマリティモは昨季12勝3分19敗(26得点・39失点)の勝点39で11位。安西幸輝が移籍するポルティモネンセより一つ順位を上回った。中島翔哉のFCポルトは2位。
マリティモは、マデイラ諸島の都市フンシャルに本拠地を置く。1926年にポルトガルカップで同諸島で初めての公式戦タイトルを獲得。フンシャルには、CSマリティモとCDナシオナルの2つのサッカークラブが本拠地を置き、2クラブの一戦は「マデイラ・ダービー」として知られ、島を2分する大イベントである。
また、マデイラ諸島マデイラ諸島は、北大西洋上のマカロネシアに位置するポルトガル領の諸島。ブドウ栽培が盛んで、ワインの生産が島の大きな産業のひとつ。マデイラ・ワインは特に有名で、マデイラ諸島最大の輸出品目である。観光産業はこの地域で最も主要な産業で、温暖な気候を求めてヨーロッパ各地から観光客が集まる、ヨーロッパでも屈指のリゾートアイランドにもなっている。国際的に活躍しているデザイナーのファティマ・ロペス、サッカー選手クリスティアーノ・ロナウドの出身地としても知られている。
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[文:サカノワ編集グループ]