「鹿島と『住金』」から新時代へ。メルカリが経営権取得
ユニフォームのスポンサーを務めてきたメルカリが、鹿島の経営権を所得。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
日本製鉄はクラブオフィシャルスポンサーを継続。
株式会社メルカリと日本製鉄株式会社は7月30日、日本製鉄とその子会社が保有していた鹿島アントラーズの運営会社「株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー」の発行済株式72.5パーセントのうち61.6パーセントをメルカリに譲渡(以下、株式譲渡)する株式譲渡契約を締結したと発表した。この株式譲渡は、公正取引委員会の承認が得られることが条件となる。
株式譲渡が正式に承認されれば、筆頭株主となるメルカリが、鹿島の経営権を取得することになる。Jリーグ発足前から続いてきた鹿島と「旧住友金属=現日本製鉄」(住友金属と新日本製鉄が2012年に統合、2019年4月に同社名へ変更)の関係に一つ区切りがつき、新たな時代へ突入することになる。
なお、日本製鉄は「歴史や理念を尊重し、今回の株式譲渡後も、引き続き鹿島アントラーズの主要な株主として同社の経営に関与するとともに、クラブオフィシャルスポンサーとしてのサポートに努めてまいります」(以下のコメント参照)と、スポンサーを継続すると発表している。
以下は、3社からのコメント。
▽メルカリ
鹿島アントラーズは、1993年のJリーグ発足以降、地域に根差したクラブとして定着し、リーグ優勝8回、Jリーグカップ優勝6回、天皇杯優勝5回、AFCチャンピオンズリーグ優勝1回の計20冠を達成するJリーグ屈指のクラブチームとして、世界に挑む強いクラブであり続けることをクラブビジョンとして掲げております。
メルカリは、日本だけでなく世界のトップを目指す鹿島アントラーズの姿勢に共感し、ともに世界を目指す仲間として2017年にクラブオフィシャルスポンサー契約を締結して以来、鹿島アントラーズをサポートしてまいりました。
このたび、メルカリの持つテクノロジーと経営ノウハウを提供することが、さらなる経営基盤の強化に繋がると判断し、日本製鉄から株式を譲り受ける契約を締結するにいたりました。今後、鹿島アントラーズのホームタウンである鹿行地域(鹿嶋市・潮来市・神栖市・行方市・鉾田市)と一体となり、メルカリ・鹿島アントラーズ・地域の三位一体でスポーツ事業の振興に貢献し、すべてのアントラーズファミリーの皆さまに愛されることを目指してまいります。
▽日本製鉄(当時:住友金属工業株式会社)
日本製鉄(当時:住友金属工業株式会社)は、鹿島製鉄所の立地する鹿行地域の活性化を図るために、1991年に行政・地元企業とともに鹿島アントラーズを立ち上げ、筆頭株主として約30年にわたりアントラーズを支援してまいりました。
日本製鉄は、こうした歴史や理念を尊重し、今回の株式譲渡後も、引き続き鹿島アントラーズの主要な株主として同社の経営に関与するとともに、クラブオフィシャルスポンサーとしてのサポートに努めてまいります。
▽鹿島アントラーズ
鹿島アントラーズは、住友金属工業時代から長きにわたりクラブを支えてきた日本製鉄に加えて、今般新たにメルカリを迎え入れ、草創期の伝統を守りつつ、新たな時代を切り拓いてまいります。クラブの持続的な成長と発展に向けて、メルカリが有するさまざまな資産を活用し、ホームタウンやステークホルダーの皆さまと、アントラーズの永遠のテーマである「Football Dream」を追求してまいります。