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【浦和】興梠慎三が「今度PK蹴らせようか」と気にかけた相手とは?

鹿島戦の88分に得点を決めた興梠慎三。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

「でも、外しそうだな」

[J1 21節] 浦和 – 名古屋/2019年8月4日19:00/埼玉スタジアム2〇〇2

 7月31日の鹿島アントラーズ戦で33歳バースデー弾を決めた浦和レッズのFW興梠慎三は、試合は1-1のドローに終わったものの、「間違いなく内容は良くなっている」とポジティブに捉えるとともに、「(杉本)健勇が入ると、そこに相手がまず意識を集中させる。(クロスから)一瞬、前のDFにかぶってボールを見失ったけれども、最後は冷静に決められました」と振り返った。

 ただ、興梠は自分のみならず、そろそろ前線に”爆発”が起きることに期待を寄せていた。

「自分も決定機が多かったですけれど、他の選手もありました。それを決めていれば、もっと楽な展開になっていたと思います。ちょっと悔しいですね……。(そのなかで、関根の加入について)アイツがいると縦に仕掛けられるし、1枚、2枚と剥がせる。今のチームにとっては重要な選手だと思う。でも……やっぱり、他の選手にも点を取らせたいですね」

 リーグ20試合を終えた時点で、チーム内の得点ランキングは、興梠が8得点で1位。しかし、2位は長澤和輝と森脇良太の2得点と、大きく離れている。FW勢は、杉本健勇と退団したアンドリュー・ナバウトの1得点ずつ奪ったのみだ。

 そこで興梠が、気にかけたのが武藤雄樹のことだ。

「武藤とか、まだリーグ戦(得点が)ゼロなんです。アイツが早く点を取ってくれないと、チームが乗っていけない。だから、どこかでPKが奪えたら、蹴らせてあげようかな」

 興梠はそのように浦和のナンバー「9」の一発を心待ちにしていた。

「でも、外しそうだけれど」とも、付け加えていたが。

 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)ではアウェーのブリーラム・ユナイテッド戦で1得点、そしてホームでの北京国安戦では1得点2アシストと活躍しており、むしろ、リーグ戦でのノーゴールは意外とも言えるか。

 とはいえ、チームへの貢献度の高さは誰もが認めるところ。前線からのプレッシングの起点になり、攻守の素早い切り替えには欠かせない、チーム屈指のハードワーカーである。だからこそ、興梠はむしろ自分のことのように、武藤のゴールを待望していた。

 4日は再びホームで名古屋と対戦する。興梠は気を引き締める。

「名古屋、川崎、横浜、札幌と、後ろからしっかりパスを回してくるチームに、今季は1勝もしていない。そういったチームには、前から行くのか、後ろでブロックを作ってやるのか、そこをハッキリさせてやりたい。基本的には前からハメていかないと、いい位置で奪えない」

 理想は興梠のみならず、全員が躍動する光景をホームのファンの前で見せること。できれば武藤や関根のゴールも――。名古屋戦は終盤戦の流れを左右する重要な一戦になりそうだ。

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[取材・文:塚越始]
text by Hajime TSUKAKOSHI

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