北京五輪から11年、反町監督と水本裕貴が松本で運命的な再会を果たす

松本の反町康治監督。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

北京代表チーム主将が、堅守の強度をさらに高める。

 松本山雅FCがサンフレッチェ広島からDF水本裕貴を期限付き移籍で獲得した。33歳になる元日本代表DFには、堅守の強度をさらに高める役割が期待される。水本も「J1残留に向けて自分の持てる力をすべて出してチームに貢献したいと思います。応援をよろしくお願いいたします」と誓う。

 何より水本は2008年の北京五輪代表チームでキャプテンとして、現・松本の反町康治監督とともに戦っている。もちろん試合会場では顔を合わせていたはずだが)11年ぶりの再会を、松本で果たすことになった。

「そういえば不思議なことに、北京五輪から10年が経つけれど、あの時一緒に戦った18人とは、誰一人としてそれから監督と選手として、一緒のチームで仕事をしていない。不思議だよ」

 昨年取材した時、反町監督はそんなことを語っていた。

 言われてみれば、確かに。

 北京五輪の翌2009年から、反町監督は湘南ベルマーレと松本を率いて、Jリーグの現場から離れていない。松本では二度目のJ1昇格を果たし、今季8年目を迎えている。

 しかしその間、指揮官が北京五輪世代のU-21からU-23日本代表で招へいしてきた選手の中で、ともに戦っているのは、2012年の松本時代の一柳夢吾ぐらいであった。北京五輪代表の18人の中から、反町監督のもとでプレーしたい、と直談判してきた選手もいたという。しかし最終的には獲得までには至ったことはなかった。

 つまり、北京五輪代表の18人は、さらに一つ、二つ上のレベルで、世界や日本のトップをけん引してきていた。

 長友佑都と吉田麻也は今なお欧州を舞台に戦い、日本代表の最終ラインを担う。本田圭佑、香川真司、岡崎慎司も、あくまで世界での挑戦を志す。一方、内田篤人は鹿島アントラーズで、西川周作は浦和レッズでアジア制覇を成し遂げてきた。そして森重真人はFC東京のDFリーダーとして、Jリーグ初制覇に向けて邁進する。

 そういったなか、松本は、まったく歯が立たなかった4年前のJ1挑戦とは異なり、今季必死に耐えながら、4勝7分10敗(12得点・26失点)で16位。最近は8試合勝利がないものの4分4敗と勝点を積み重ね、J1残留戦線に踏みとどまってきた。そこに、水本の力が必要とされた。

 もちろん前田大然の抜けた前線は、水本とトレードのような形でレアンドロ・ペレイラが広島に移籍してたため、パワーダウンが否めない。その補強こそ必要ではあるだろう(そこにも北京五輪世代の戦士が加わったりすれば、一段と魅力が増しそうだが……)。

 今シーズンの水本は天皇杯1試合、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)3試合のピッチに立ってきた。もちろん松本ではポジションが約束されているわけではない。むしろ失点の少なさはリーグ7位タイの堅守を誇る松本では、まずチーム内の熾烈な競争に勝たなければならない。

 もちろん、その切磋琢磨が、チーム力の向上につながるに違いない。反町監督との11年ぶりの共闘。水本が松本を支え、選手たちを奮い立たせ、そして松本を盛り上げる。

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[文:塚越始]
text by Hajime TSUKAKOSHI

Topics:Then, 11 years later, Yasuharu SORIMACHI and Hiroki MIZUMOTO was reunited at MATSUMOTO YAMAGA FC.

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