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久保はレアル戦に集中すべき?日本代表の直後に大一番

久保建英。(C)SAKANOWA

森保監督は「招集しない」という英断をできるか。W杯予選10月シリーズに参戦すると実質『中2日』に。

[スペイン1部 7節]  アラベス 2-0 マジョルカ/2019年9月28日/エスタディオ・デ・メンディソロツァ

 スペイン1部リーグ(ラ・リーガ)RCDマジョルカのMF久保建英は、7節のデポルティーボ・アラベス戦で2試合連続で右MFとして先発フル出場を果たした。しかし試合は0-2で完敗を喫し、チームは6試合勝ち星なし。

 その久保だが、日本代表の森保一監督に一つ”決断”が委ねられている。日本代表は10月3日に、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の10月シリーズ(10日/モンゴル代表戦/ホーム・埼玉スタジアム)、15日/タジキスタン代表戦/アウェー・ドゥシャンベ)に臨むメンバー発表がある。順当に行けば、久保は今回、6月、9月の活動に続いて、継続して招集されるだろう。

 同ポジションの日本代表のレギュラーであるPSVの堂安律はPECズォレ戦(〇4-0)で移籍後初ゴールを決めたものの途中出場が続いている。久保が招集されれば、今回、W杯予選初先発への期待も膨らむ(もちろん、PSVのレベルでレギュラー争いをしている堂安は、海外組の中でも非常に貴重な存在だ)。

 しかし、RCDマジョルカは10月19日、ホームのイベロスター・エスタディでレアル・マドリードと対戦する。

 久保が日本代表に招集されれば、試合翌日の16日が移動日になるため、実質2日しか調整期間がない。

 タジキスタンとスペインの時差が3時間なのは(日本とタジキスタンが時差4時間、スペインが同7時間)、ある意味、今回、欧州組にとっては救いとも言える。

 とはいえ、久保は日本代表では完全な主力でもなく、まだ2次予選の序盤である。一方、マジョルカにとっては今季最大の盛り上がるカードと言っても過言ではない。何より、久保にとっても特別なカードである。

 久保は今年に入り、FC東京での活動からほとんどオフなしで戦ってきた。9月の遠征後はコンディションについて、「若いから大丈夫です」と意に介さなかった。

 ただ、それが直接的な要因とは言えないが、結局、絶好調だった大迫勇也は日本代表活動のあと、ヴェルダー・ブレーメンに戻った初戦で負傷。長期離脱を余儀なくされた。

 このあと日本代表は「E-1東アジア選手権」が控えているが、同大会は過去の人選から考えると、構成は国内組中心になるだろう。年内は10月、11月シリーズと、欧州組を招集できる活動が限られ、ピッチ内外でいろいろな事情が絡んできそうではある。

 ただ今回ばかりは、久保をレアル・マドリード戦に集中させてもいいのではないか。

 もちろん、久保も日本代表での初ゴールを欲しているはず。A代表で、マジョルカでの今後につながる何かしらのキッカケを掴もうともしている。

 とはいえ、FIFAランキングは、日本代表が31位でグループトップであり、タジキスタン代表が115位、モンゴル代表が183位。タジキスタンがこれまで2連勝を収めているとはいえ、久保の力をより必要としているのはマジョルカのほうだろう。しかも、ベストコンディションで。

 もちろん森保監督の人選は尊重されるべきだ。ただ、そういった海外組への配慮も、日本代表の今後を見据えると必要と言える。ここで一つ”英断”を下し、「とにかく一泡吹かせてこい」と背中を押して、最高の久保をレアル戦に送り出してみてはどうだろうか。レアルのジネディーヌ・ジダン監督にも、成長した姿を見せたい。

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[文:サカノワ編集グループ]

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