【日本女子代表】岩渕、籾木、長谷川、小林…東京五輪へなでしこ4ゴール再出発
なでしこジャパン、岩渕真菜が決めた!写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
2023年女子W杯誘致へ。王国・静岡で8000人以上の観衆の前でカナダに快勝。
[国際親善試合] 日本女子代表 4-0 カナダ女子代表/2019年10月6日/IAIスタジアム日本平
東京オリンピックに向けて4ゴール再出発――。フランス女子ワールドカップ(W杯)でベスト16に終わったなでしこジャパン(日本女子代表)が、東京オリンピックに向けて活動を再開した。その初戦となったカナダ女子代表戦、岩渕真奈、籾木結花、長谷川唯、小林里歌子のゴールで、4-0の勝利を収めた。また、2023年の女子W杯の日本招致をアピールした特別シャツで入場し、さらにネームと背番号がピンク色の特別仕様ユニフォームで、8123人の観衆の前で、王国・静岡からしっかりと”一歩”を踏み出した。
試合は、開始6分に中島依美のクロスに岩渕が合わせて先制に成功。前半終了前に三浦成美が負傷し、籾木が投入される。それでも日本の勢いは止まらない。
65分に長谷川のシュートのこぼれ球を籾木が押し込み2点目。さらに72分、岩渕のパスから長谷川、そして90+2分には田中美南のシュートのセカンドボールを小林が押し込み、計4ゴールを奪取。ピンチはあったもののFIFAランキング5位のカナダを、同7位の日本がしっかり無失点に抑えてみせた。
試合後、高倉麻子監督は、次のように振り返った。
「女子W杯の誘致に向けて、たくさんの方々が盛り上げてくれたことに感謝しています。そのなかで4ゴールを奪えて、W杯のあと『このままで大丈夫か』という声をいただいていましたが、私たちはしっかり進んでいくことを確認し合い、できたこと、できなかったことをチェックし、また上へ伸びていこうと取り組み、合宿の時間を過ごしてきました」
「もたついた時間、ミスも多く、世界のトップに立つためには細かい修正は必要だと感じます。ただ選手たちは強い気持ちで戦ってくれましたし、また成長していきたいと思います」
また、W杯での反省から、日本の武器である「テクニック」に加え、「スピード」もより重視していく考えを明かした。
「日本のサッカーをするということを考えた時、W杯では足元でプレーすることが多くなってしまったこともありました。積極的に裏のスペースに飛び出していこう、という話もしてきました。そのなかで少し大きな展開も見られたのかなと思います」
そして高倉監督は改めて選手たちに、やるべきことをやる、だけではなく、臨機応変さであり、駆け引きで相手を上回っていくように期待していた。
「ミスが目立ったなか、相手にペースを握られた時間が前半の途中から多くなりました。勝ち切るチームになるためには、試合の展開を読みながら、プレーを変えていける。そうして流れを変えていける選手、チームになっていってほしいという話をしています」
東京五輪に向けて、なでしこジャパンはアジア予選が免除される。今後もメダル獲得を目標に、こうした欧米のチームとの強化試合を中心に行っていくことになる。アメリカ、ドイツ、ブラジル、フランス、オランダといった強豪と、どのように伍していくのか。そして勝機を見出していくのか。加えて、東京五輪まであと1年を切ったなか、チームを高みと導ける、突き抜けていくようなタレントの出現も待望される。
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[文:サカノワ編集グループ・協力:早草紀子]