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湘南の曺前監督パワハラ問題、JFAがライセンス資格停止の措置を検討。11月の理事会で決定か

湘南の曺貴裁監督。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA

臨時のJFA技術委員会で事実確認と今後の対応を協議、本人からの聴取も予定。

 日本サッカー協会(JFA)の臨時の技術委員会が10月10日に開かれ、そのなかで湘南ベルマーレの曺貴裁前監督のパワーハラスメント(パワハラ)に関して事実確認と協議が行われた。同日行われた理事会で、その報告があった。JFAによると、裁定に関してはJリーグが下した処分が最終となる。ただし指導的な立場にあるJFAが懲罰規定に則り、ライセンス停止などの措置を講じる可能性も示唆した。

 同日の技術委員会では、Jリーグからの裁定が下されたことを受け、技術委員会としての対応を協議。どのような形で指導者に対しての指導をすべきか、今後にもつなげられるかが話し合われたという。ただし、措置に関する何かしら具体的な結論は出なかった。

 JFAでは懲罰規定を明文化している。過去には、指導者がライセンス停止処分などを受けた事例も起きている。JFAとしての調査などを踏まえたうえ、次回11月の技術委員会で、何かしら「処分」ではなく「措置」に関する発表がある予定だという。

 10月10日にメディア対応したJFAの須原清貴専務理事は、次のように説明をした。

「技術委員会は(プロの)指導者に処分を下す、懲罰を下す、そういった性質の役割は持っていません。あくまでも選手、指導者を指導するのが、技術委員長の一番重要な役割。非常に重要な案件であり、状況や背景、それを委員が協議しています。今後、技術委員会として、調査や情報の収集の必要性が出て、曺前監督本人から調査を行う予定もあります」

 なお、JFAが定める「指導者に関する規則」、「ライセンス保有者へのライセンス適格性の再審査及び指導」の項目で、「本協会がライセンス適格性の再審査の結果、ライセンス保有者に対して、次の指導を行うことができる」として、以下のように定められている。

(1)注意(口頭による注意)
(2)厳重注意(文書による注意)
(3)ライセンス停止(一定期間のライセンス停止)
(4)ライセンス降級(下位のライセンスへの変更)
(5)ライセンス失効(ライセンスを失効させるが、本協会が指定する種類のライセンスからの再取得は妨げない)
(6)本項第1号から第5号に代えて、又は第1号から第5号と併せて、一定期間の社会奉仕活動への従事、書面による反省文の提出その他必要な指導

 また、湘南ベルマーレは今回パワハラ事案の発生を受けて、次のように再発防止案を発表している。 

(1)強化体制の強化
トップチームの強化体制を代表取締役社長の指揮下とし管理する。また、新たにGM(ゼネラルマネジャー)職を設置する。
GMの下にスポーツダイレクターが管理する現場とメディカルチームの二本柱とする。
(2)相談窓口の設置
選手、スタッフ、メディカルスタッフから直接コンタクトができ、本人の守秘義務が守られる外部の相談窓口を設置する。あわせて、メンタリストを設置する。
(3)コンプライアンス研修の実施
経営執行者、監督、コーチ、スタッフ、選手、フロントスタッフも含めた全員がコンプライアンスについて勉強する場を作る。
(4)湘南ベルマーレの基準づくり
社会のコンプライアンスを遵守し、選手協会とクラブが協議、協力して、湘南ベルマーレの基準を作っていく。

関連記事:【湘南】Jリーグが曺監督のパワハラ認定「二度と顔を見せるな」など恫喝。環境改善と再発防止を求める

[取材・文:塚越 始] 

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