【浦和】阿部勇樹の後押しも力に柴戸海が自身初のアジア王者のタイトル獲得へ挑む

浦和の柴戸海(右)、阿部勇樹(左)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

クローザーとしての信頼を少しずつ高めて、いざアル・ヒラルとの埼スタ決戦へ。

[ACL決勝 2nd] 浦和 – アル・ヒラル/2019年11月24日19:00/埼玉スタジアム2〇〇2

 浦和レッズのMF柴戸海が、自身初のアジア王者のタイトル獲得に向けて最後の決戦に挑む――。アジアチャンピオンズリーグ( ACL )決勝のアル・ヒラルとの第2戦(セカンドレグ)に向けて11月15日のトレーニングのあと、柴戸が自分自身の現在地を見つめるとともに、その戦いへの思いを語った。

 明治大から加入したプロ2年目のボランチは、昨季よりも大幅に出場機会を増やしている。しかし勝負どころではベンチスタートとなる場合もまだ多い。それだけに、まだまだここが物足りないと思う部分は少なからず自分の中でも把握している。とりわけ柴戸は「ゴールに向かうプレーであり、迫力を出すプレーを、攻撃の面では課題に感じています」と、攻撃面全般の課題を挙げる。

 一方、持ち味であるボール奪取力を発揮する場面も頻繁になってきた。

「自分の持っている良さは少しずつ出せるようになっていると思います。それでもJ1のトップレベルかと言われると、決してそうではない。そういったところがあるから、なかなかチャンスが回ってこない。そのチャンスが来る時の準備をして、来た時にはしっかり掴めるようにやるしかありません」

 今季のACLは8試合に出場しているが、いずれも途中出場。試合を締める「クローザー役」である。しかし、上海上港との準々決勝は2試合とも出場しているものの、北京国安との準決勝は第2戦のラスト2分間+アディショナルタイムにピッチに立ち、そして決勝第1戦はベンチ入りしたが出場機会を得られなかった。

 少しずつ大槻監督をはじめ周囲からの信頼は間違いなく高まっている。しかし、クローザーの役目としても絶対的な立場にはなりきれていない(決勝第1戦は0-1で負けていたが、ラストはそのままでいく、という判断だったが)。

 プロのスピード――という言い方があるが、それはプレー精度の高さと巧さにも言い換えられる。柴戸はそこでまだまだ差を感じているという。

「ちょっとしたところでの上手さの部分が特にあり、そこでやられてしまう部分がある。自分が集中できていて読みが鋭い時には、間違いなくボールを奪ったり、いいディフェンスができていると思います。その回数を増やしていきたいです」

 そして、柴戸は38歳の阿部勇樹の背中を見つめ、自分自身の背中も押されてきたという。

「ポジショニングやボールに寄せるところで、試合や練習中から、声を掛けられて、その瞬間、自分も阿部さんと同じように思っていた、という場面があります。そういう時に、本当によく見ていただいていると感じます。だから、いろいろな話を聞き入れて、自分のレベルを上げることに生かしていけています」

 何より阿部からポジティブな声を掛けられると、気持ちも前向きになれる。そうやって阿部の背中を追いかけてきた。

 ACLではクローザー的な仕事が多い。あとはまとまった出場時間を得た際には、上記のように自身も課題に挙げるようにゴール前に絡むプレーも求められる。

「前まで行ける回数は少ないですね。ボールを奪って、渡して、ゴール前へ入っていくこと。そこは、もっともっとチャレンジしていきたいです」

 果たして、ベンチ入りはあるか。そして、出番はあるのか。プロ2年目、主力争いに食い込んできた新鋭ボランチはピッチで歓喜の瞬間を迎えることができるだろうか――。

「 (第1戦のサウジアラビア遠征は)時差はありましたが、他にもいろいろなことがありました。ACLでは日本から最も遠い国での試合でしたからね(時差は6時間、紅海を挟むとエジプト)。アウェーで戦う難しさを感じる機会にはなりました。ホームで借りを返して、チームの勝利に貢献したいです」

 まずは変わらずトレーニングから全力で取り組むしかない。柴戸が突き抜けるためにも、決勝はただ勝つしかない。

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[取材・文:塚越 始]

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