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本田に嵐のような逆風。フィテッセ監督突然辞任、今度どうなる?

フィテッセの本田圭佑。※フィテッセ公式ツイッターより(@MijnVitesse)

本田をオランダに呼んだ指揮官が自己ワーストの連敗で責任を取る。

[オランダ1部 15節]  ヘーレンフェーン 3-2 フィテッセ /2019年11月29日/アベ・レンストラ・スタディオン

 オランダ1部リーグ(エールディビジ)フィテッセがSCヘーレンフェーンに2-3と逆転負けを喫し、リーグ5連敗となった。チームは7位に後退。すると試合後、フィテッセのロシア人レオニード・スルツキ監督が辞任すると発表した。本田圭佑をオランダに招いて加入させたCSKAモスクワ時代の”恩師”だが、わずか2試合の出場で、チームを去ることに。後ろ盾を失った本田は、いきなり嵐のような強烈な逆風と向き合うことになった。

 本田は今回ボランチで先発。チームは21分までに2ゴールを決める幸先の良いスタートを切った。ところが42分に失点を喫すると、後半は打ち合うもののホームのヘーレンフェーンペースに。そして63、69分とゴールを決められ、ついに2-3と逆転されてしまった。本田はフル出場しているが、90+4分にイエローカードをもらった。

 すると試合後、スルツキ監督は、自身のキャリアでも初めてという5連敗の結果を受けて、辞任すると発表したのだ。

 開幕からは無敗街道を突き進みながら、ケガ人などが出て徐々に星を落とし、そうしたなかで本田を獲得。しかし、起爆剤にならなかった。

 オランダメディア『VTBL』によると、スルツキ監督は試合後のフラッシュインタビューで「これまでオランダで素晴らしい時間を過ごすことができました」「この悪い流れを変えて、物事を軌道に乗せるためには他の誰かを必要としています」と語ったという。試合後のロッカールームでも、辞任する意向を選手に伝えていたそうだ。

「私の長いキャリアのなかで、これほど負け続けたことはありません。これではもはやトレーナー(監督)とは言えません。だからこそ、私はこの一歩を決断しなければなりません」

 そのように48歳のスルツキ監督は自身の責任を痛感していたそうだ。

 とはいえ、今季開幕からは無敗を続け上位に食い込むなど、その手腕は確かなものだった。それだけにGKレムコ・パスフェールは「そんなことを突然言われても、どのようにすればいいのか難しい。彼はそのように言い残して、すぐロッカールームを去ってしまった。私たちの責任でもある」と語ったそうだ。

 本田は加入から2試合連続で先発出場を果たした。しかし、今回も結果を残すことはできなかった。

 CSKA時代にはこの監督のもと、本田は3冠を達成し、UEFAチャンピオンズリーグではベスト8進出を果たした。そして今回、SNSを通じて新天地を探していたところ、スルツキ監督の意向を受けて、フィテッセの練習に参加。「練習参加するだけで、加入するつもりはなかった」と本田は言っていたが、スルツキ監督に説得されて今シーズン末までの加入を決断した。

 『SNS就活』が結実して、オーストラリアAリーグのメルボルン・ビクトリーを退団したあと、約6か月ぶりにプレーできる環境に身を置くことができた。ところが……わずか2試合にして、恩師が去ってしまったのだ。

 果たして「Keisuke HONDA」はこの逆境をどのように克服するのか――。

 フィテッセは7勝2分6敗(24得点・22失点)で前節の5位から7位に順位を下げた。次節12月8日はホームで、フェイエノールトと対戦する。

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[文:サカノワ編集グループ]

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