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【高校選手権】静岡学園10番、松村優太「革命的で少し異質」なスタイルでの全国制覇を誇りに鹿島へ!

静岡学園が24年ぶり全国制覇!賞状を掲げる松村優太。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

高校生活、一番の思い出は「今日ですね」。

[高校選手権 決勝] 静岡学園 3-2 青森山田/2020年1月13日/埼玉スタジアム2002

 全国高校サッカー選手権決勝、静岡学園(静岡)が青森山田(青森)に3-2で、2点差からの大逆転勝利を収め24年ぶりの全国制覇を成し遂げた。鹿島アントラーズ加入が内定している静岡学園の「10番」松村優太は試合後、静学スタイルを貫いての戴冠に「革命的。少し異質なサッカー」で勝てたことに誇りを感じていた。

「みんなで目指していたところに辿り着けて、最後しっかりこうした形で終われて良かったです。自分が、自分が、となってしまうとチームが上手くいかないので、できるだけ相手を引き付けながら味方を生かして、その中で隙があればゴールを狙っていきました」

 33分までに前回王者に2失点を喫す厳しい立ち上がりに。しかし前半アディショナルタイム、中谷颯辰が1点を返したことで静岡学園は”いける”という雰囲気で、ハーフタイムを迎えた。

「(今大会初失点)ここまでは無失点でしたが、『点は取られるであろう』という想定はしていました。みんなで集まり焦らずやっていこうと話すなか、前半アディショナルタイムに1点を返せて、そこで勢いに乗れて、ハーフタイムにもしっかり修正できました」

 後半に入ると、青森山田から勢いが感じられなくなったという。そこへ松村もサイドで起点を作り、状況に応じてはピッチ中央にも入り、徹底的に仕掛けていった。

「相手もガクッと来ていて前半の勢いを感じられなったので、自分たちが盛り返していけば、点は入るだろうと思っていました。(逆転ゴールが)85分と良い時間帯に決まり、あとは最後まで、みんなでやり切ることができました」

 一度負ければ終わりのトーナメント。勝負に徹するチームが多いなか、静岡学園はあくまでも伝統的かつ先鋭的である、ポゼッションとスピードを兼ね備えたスタイルを貫き頂点に立った。静岡らしく、あらゆるポジションでテクニック重視で。

 松村は胸を張って言った。

「日本サッカー界の中で、僕らは革命的だと思っています。少し異質なサッカーをしているとは思いますが、こうしたチームが増えていけば、サッカーもより面白くなると思います。僕らが優勝したことで、サッカー界が盛り上がっていければ一番嬉しいです」

 その一方、静岡学園の伝統も感じられる勝利だった。ボールを大切に運ぶという王国のプライドを示しながら、その特長も出し切って、総合力の高い青森山田を上回ってみせた。

 松村は「自分たちの後ろには、このスタイルを築いてきてくれた先輩方がいて、今日もすごくたくさん観に来てくださっていました。その気持ちに応えることができて良かったです」と喜んだ。

 このあとは鹿島でプレーする。「今日は喜んで、ここで高校サッカーは一区切りです」と、1月中旬から鹿島のキャンプに合流する予定だ。

「自分の特長はドリブルからの崩しで、そこからゴールやアシストにつなげられるように、精度をさらに上げたいです」

 高校3年間での一番の思い出は? そう聞かれた松村は迷わず「今日ですね」と頷いて答えた。どのように輝くか分からない魅力的な原石。最高の1日を胸に、Jリーグへとステージを移す。

24年ぶりの全国制覇を成し遂げた静岡学園の選手たち。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

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[文:サカノワ編集グループ]

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