4冠は夢のまた夢。ACL8強以降は超過密日程。ルヴァン杯決勝に進めば…
神戸は目標としていたACLに初めて挑戦するが――。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
東京オリンピック開催の今年は異例中の異例だが…。ACL決勝付近のハードスケジュールは改善される。
Jリーグは1月22日、2022シーズンの全日程を発表した。
東京オリンピック期間中は全カテゴリーの試合が中断され、また、五輪で使われるスタジアムは大会前後には試合を組めない。そのため異例中の異例ではあるが、FC東京の2年連続アウェー8連戦、横浜FCの三ツ沢全ホームゲーム開催など、さまざまな皺寄せのある日程となった。
一方、Jリーグから4チームが臨むアジアチャンピオンズリーグ(ACL)を勝ち上がった場合、過去2シーズン続いたACL決勝付近に日程変更の試合が組み入まれるという酷な過密日程は今回改善された。しかし、ベスト8以降、ほかのコンペティションも勝ち上がっていた場合は、やはり非常にタイトな日程を余儀なくされる。
例えばルヴァンカップ決勝とACLベスト4に進出した場合、10月20日or21日のACL準決勝セカンドレグのあと中2日or3日で、24日にルヴァンカップ決勝が組まれる。
しかもACL決勝進出を果たした場合、ここから鬼のスケジュールに突入する。ACL決勝と同じタイミングで11月下旬に組まれるJリーグの2試合が、10月28日、11月3日に組まれるため、ミッドウィーク&週末の連戦が続いていく。
つまり、ACLの決勝進出を果たせば、喜ぶのも束の間、同時に超連戦が決定する。
例えば、一番厳しいと言える神戸のケースを挙げたい。
▼神戸がACLとルヴァンカップの決勝に進んだ場合
・10月17日(土)or18日(日)J1・29節(アウェー)G大阪戦
・10月20日(火)or21日(水)ACL準決勝セカンドレグ
・10月24日(土)ルヴァンカップ決勝(未定)
・10月28日(水)J1・32節(アウェー)横浜FM戦★
・10月30(土)or11月1日(日)J1・30節(ホーム)サガン鳥栖戦
・11月3日(火)J1・33節(ホーム)鹿島戦★
~さらに続く…
(★=ACL決勝進出の場合、11月21日から日程変更でここに組まれる)
(※天皇杯も勝ち上がっていた場合、3日の試合が11日に変更)
神戸の場合は、アウェーゲームが続くことで過酷さも増す。もちろん、その時が訪れてみないと、実際にどのような状況になっているか読めないところではあるが……。ACL出場組の中で、シビアに優先順位をつけて戦うチームが表れても不思議ではない。
一方、ACL決勝2試合が行われる1週間のインターバルの間にJリーグの日程変更の試合を組み込まれた鹿島(優勝)、昨年のJリーグ4連戦後に中3日で時差6時間のサウジアラビアで決勝第1戦に臨むことになった浦和(準優勝)のような、過去2年、理不尽を強いられたACLファイナル付近の日程は改善されている。天皇杯の日程を調整しているところにも、日本協会とJリーグの連携が見られる。ただ、ルヴァンカップをプレーオフステージを含むフルメニューで組む必要があったのか……など課題は残すか。
いずれにせよ、このスケジュールのなかでJリーグ、ACLの「2冠」、さらにはルヴァンカップ、天皇杯の「4冠」を果たすのは、超難関と言える。同時に選手のケガなどコンディション面も懸念されるところだが……。
今回ACLに臨むのは、横浜F・マリノス、ヴィッセル神戸、プレーオフからFC東京、鹿島アントラーズ。その中から、そんな夢のまた夢のような偉業を成し遂げるツワモノは果たして現れるのだろうか。
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[文:サカノワ編集グループ]