【FC東京】ACL出場決定、長谷川健太監督はあえて若手にゲキ「雨の日こそ技術の差が出る」
2020シーズンの初陣に臨んだFC東京の長谷川健太監督。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI
今季採用の3トップには「チャンスメイクもできた。流れる形ではなかったが3人の良さを出してくれた」
[ACL PO]FC東京2ー0セレス /2020年1月28日/味の素スタジアム
アジアチャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフ、FC東京が室屋成とアダイウトンのゴールで、フィリピンのセレス・ネグロを2-0で下し、4大会ぶりの本選(グループステージ)進出を決めた。
試合後の記者会見でFC東京の長谷川健太監督は「Jリーグ代表としての責任を持って戦った。選手たちにも『Jリーグのプライドを持って戦おう』と。簡単な試合はこのアジアではありません。キックオフと同時にピッチで戦ってくれたと思います」と率直な感想を口にした。
試合中も降りしきる強い雨のなか、ピッチのところどころに大きな水溜まりができ、パスを送ってもボールが止まってしまう90分間だった。
「グラウンドキーパーの方々も最後まで良い状態でプレーをさせようとしてくれました。天候はしょうがない。割り切ってシンプルに戦わせました」
そのなかで、大卒新人の安部柊斗、東京五輪世代の原大智を先発で抜擢。さらにアディショナルタイムには中村帆高も公式戦デビューさせた。すると指揮官はあえて、若手選手たちに注文を付けた。
「(若手は)まだまだ悪いコンディションでのプレーに慣れていない。ボールを動かす、運ぶ、ボールの下を蹴って飛ばす技術が求められます。時間とともにブラジル人選手のアダイウトンやレアンドロは運ぶテクニックを見せてくれました。我々の小さい頃は『雨の日こそ技術の差が出る』と言われて育ってきました。泥んこでサッカーをした時代です(笑)。その意味で若い選手もいろいろな経験を積んで、技術を高めていってほしいですね」
そのように、アダイウトンが雨天であることを考慮して2点目のゴールを決めたことなど、助っ人勢とのピッチ上でのタフさの差について指摘。そのあたりの厳しいコンディションの中で、”何ができないか”ではなく”何ができるか”を求めていた。
そして取り組んできた4-3-3の新布陣を初披露。しかし、この天候ではさすがに、まだ評価はできない。
「そうですね。昨日(の練習)は良かったので、良いコンディションで試合をしたかったのですが(苦笑)。前の3人でチャンスメイクもできましたし、流れる形ではありませんが3人の良さを出してくれました」
雨降って地固まる。そんな抜擢した若手の活躍とゲキを含め、終わってみれば2020シーズンの初戦は、収穫の多き一戦となった。
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[取材・文:石田達也]