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【FC東京】永井謙佑より速い!?アダイウトンが高速ループ弾「特長のパワーとスピードを出せた」

FC東京のアダイウトン。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

ブラジル人の新加入FWが3トップの一角で先発、89分にACL本選出場を決定づけるゴールを奪う。

[ACL PO]FC東京2-0セレス/2020年1月28日/味の素スタジアム

 アジアチャンピオンズリーグ(ACL)プレーオフ、FC東京がフィリピンのセレス・ネグロスを2-0で下し、4大会ぶりの本選(グループステージ)出場を決めた。

 採用された新布陣の4-3-3の最前線に入り、豪雨のなかでエンジンの違いを見せつけたのがジュビロ磐田から加入したブラジル人アタッカーのアダイウトンだった。

 ピッチのいたるところにできた大きな水たまりにボールの足止めを食らうなか、豪快かつスピードに乗って相手ゴールへ襲い掛かった。

「とにかく雨が強くてサッカーができるようなコンディションではありませんでした。ただ、みんなの気持ちの入った戦いができた試合でした。雨で重たくなったピッチでのプレーは何度も経験しています。思い通りにドリブルもできず難しかったですが、何より勝たなければいけないという気持ちが相手を勝りました」

 そのようにアダイウトンは試合後に振り返った。

 圧巻は1-0とリードして迎えた89分の追加点を奪ったシーンだった。

 センターサークルにいたアダイウトンが自陣からのパスを受けると、カウンターを発動させる。ボールを蹴り出してぬかるみに足を取られることなく、ギアをトップに入れて相手選手を置き去り、最後はスッと速度を落とし、相手ゴールキーパーが前に出てきたことを確認。スリータッチ目でペナルティエリア手前から右足でループシュートを選択すると、ボールは放物線を描いてゆっくりゴールネットに吸い込まれた。

 試合を決定づけた新天地での初ゴールに。アダイウトンは「自分のストロングポイントでもあるパワーやスピードを見せることができました」と喜んだ。

 この2年間、FC東京の前線をけん引してきた永井謙佑とディエゴ・オリベイラの復帰はまだ先になる。そこで指揮官は新機軸の4-3-3を採用(4-2-3-1も)し、チームにも変化を与えた。

 今回、豪雨によりシステムうんぬんを語るような状況ではなかった。ただ長谷川健太監督も「前の3人でチャンスメイクもできて、流れる形ではないものの3人が良さを出してくれました」と頷いた。

 磐田での5年間ではJ1通算103試合・27得点、J2通算39試合・17得点を決めてきた。来日6年目に突入した豪胆な29歳のFWアダイウトンが、永井とオリヴェイラの穴を埋めるどころか、さらに強く速く――ゴールを量産してくれそうだ。

89分、アダイウトンが特長を生かしたループ弾でチームに2点目をもたらした。写真:上岸卓史/(C)Takashi UEGISHI

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[取材・文:石田達也]

Posted by 石田 達也

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