【千葉】チームを包む例年にない一体感。ユン・ジョンファン監督が静かに熱く語った”本音”

ちばぎんカップでMIP賞を受賞した千葉の熊谷アンドリュー。写真:石田達也/(C)Tatsuya ISHIDA

ちばぎんカップで見えた攻撃面の課題も、むしろ良薬だ。

[ちばぎんカップ]千葉0-2柏/2020年2月9日/フクダ電子アリーナ

 ユン・ジョンファン監督の就任後、ホームでの実戦初披露となったプレシーズンマッチ「ちばぎんカップ」、ジェフユナイテッド市原・千葉は柏レイソルに0-2で敗れた。

 既存戦力と新戦力の融合を図る千葉は、新加入の新井章太、チャン・ミョンギュ、田口泰士が先発に名を連ね、沖縄キャンプからディフェンス面の意識付けを進めてきたが、開始7分と11分に連続失点し、立ち上がりに課題を残した。しかしその後は、攻撃から守備へと帰陣するスピードや中央を締める守備など、新指揮官が目指す組織的な戦い方を表現。後半はスコアレスで戦い切った。

 加入4年目、千葉の大黒柱に成長した熊谷アンドリューは語る。

「CBだけでなく、チーム全体として、(失点シーンについて)上手く全体で対応できるようにならないといけない。(後半は)みんなが落ち着いてブロックを敷いて、怖いシーンを作られず、前半の反省点を生かせたことはプラスです」

 そのように新キャプテンは手応えを口にしていた。

 J2リーグの開幕・FC琉球戦は2月23日、ホームのフクダ電子アリーナで迎える。その試合に向けて、柏戦の失点はむしろ良薬になると言えるだろう。

 ユン・ジョンファン監督は「上手くいかなかった部分が失点につながってしまった。ただし十分に改善できる部分できる。開幕までに必ず修正できると思っています」と強調していた。

 一方、守備をベースにした“負けないサッカー”も大事だが、そんな守備もその先の得点することに目的がある。最前線のクレーベにボールを集めて攻撃を展開したが、結果的にノーゴールに終わっている。

 そのなかで加入2年目の堀米勇輝は4-4-2の左サイドハーフで先発出場すると、相手の守備が崩れた状況を見逃さず、ドリブル突破からクロスを送り続け、ゴールまであと一歩と迫った。

「サイド攻撃がメインになると思うので、自分が仕掛けていくなかで選手に正確に届けること。推進力をもって縦に行くことを意識しています」

 ターゲットはクレーベになる。彼にボールを運ぶまで、シンプルにロングボールを当てるのか、パスをつなぐ地上戦をどれぐらい組み込むのか、そこにドリブルなど個の崩しを交えていくのか、そのメリハリのバランスや呼吸の合わせ方をチームとして共有していくことも課題に見えた。さらに前線には、今季ジュビロ磐田を退団した元日本代表FW川又堅碁が加わった。クレーベと組んだ場合には相当の迫力を生み出せる。「4-4-2システムのなかで、どれだけ組織的に戦えるか」と、ユン・ジョンファン監督もテーマを掲げる。

 チームの背骨となるセンターラインの強化に成功し、選手の顔触れは例年以上に充実した。目標であるJ1復帰への期待は膨らむ。何より記者から見ても、例年以上の一体感が感じられる。

 6時40分からの早朝練習を含む3部練習で培ったハードワークがベースとなり、90分間のみならず、1年間を闘い抜く力とハートを養ってきた。あとは勝利を収めることで、判断やプレーの自信が確信になり、勝負強さにつながっていくはずだ。

 ユン・ジョンファン監督は「ここから必ず、良いことが起こると確信しています」と静かな口調に強い決意を込めた。2011年にサガン鳥栖をJ1に昇格させ、2017年にはセレッソ大阪でルヴァンカップと天皇杯の二冠へと導いた。冷静なる情熱家――指揮官の言葉は、偽らざる男の本音だ。

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[取材・文:石田達也]

Posted by 石田 達也

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