ブンデスリーガは無観客、メディアなど計300人以内で5月9日再開を目指す
フランクフルトの長谷部誠。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
ドイツ国内はリーグ再開へ意見二分、医師は懐疑的。
ドイツの移籍専門『トランスファー・マーケット』など複数のメディアが、ドイツ・ブンデスリーガ(DFL)は5月9日に無観客試合(ドイツでは「ゴーストゲーム」と呼ぶ)で1部リーグを再開させるスケジュールで調整に入ったと伝えた。
そうしたなかドイツの週刊誌『シュピーゲル』電子版は、ブンデスリーガは果たして再開できるのか? をテーマにさまざまな視点からの意見や考察をまとめて特集している。
記事によると、ブンデスリーガはこれまでもドイツ保健省と綿密に情報交換をしてきたという。いずれにせよ、まず保健相の同意がない場合には、リーグ再開はしないという。
また、ブンデスリーガ側が試合開催に向けて設けた条件は次の通り。
◆無観客試合
◆選手・スタッフ、審判、ボールパーソン、中継スタッフ、ジャーナリストなど、1会場・上限300人とする。
◆選手・関係者全員の感染リスクを最小限に抑える。
ただ、ブンデスリーガの今回のコロナウイルスに関する「医療タスクフォース」からは、これまで協議されてきた内容について、何かしらのアナウンスがされていない。同誌ではある専門医の「非常に複雑だからだろう」というコメントを掲載している。
試合会場のみならず、感染リスクはいたるところにある。バス・飛行機での移動、ホテル宿泊、ロッカールーム……。
また、リーグが再開されれば、試合が終わった後に感染していないかどうかの検査を実施していくという。となると、1部、2部のみで2万の検査キットが必要になるというのだ。サッカーだけにそういった社会的に必要とされるリソースを回すのは、極めて「不合理」だとも指摘されている。
加えて、いずれにせよ無観客試合であっても、人は集まってしまうだろうという課題もある。この記事で登場している医師は「現状では、無理ではないか」と懐疑的だ。
それだけに、国内ではリーグ再開について、意見は2分されているそうだ。
ブンデスリーガとしては、あと9節、クラブ経営の大きな柱となる放映権を得るため、6月までに全日程を終えることを目指している。な、リーグがこのまま中止になったときどうなるのか? 順位は? 昇降格は? UEFAのチャンピオンズリーグ(CL)とヨーロッパリーグ(EL)に出場するチームは? そういった”最悪の場合”については、まだ何も決めていないそうだ。
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[文:サカノワ編集グループ]