Jリーグとプロ野球、「無観客」で再開へ。時期の目処は立たず

NPB・Jリーグ対策連絡会議の専門家チームを務める、(左から)三鴨廣繁氏(愛知医科大大学院)、賀来満夫氏(東北医科薬科大医学部)、舘田一博氏(東邦大医学部)。(3月12日撮影)(C)SAKANOWA

選手・スタッフに対する講義ビデオを作成。Jリーグでは全選手にアンケート。

 一般社団法人日本野球機構(NPB)と公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)が合同で立ち上げた「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第6回会議が4月23日に行われ、その後、NPBの斉藤惇コミッショナー(日本プロ野球組織コミッショナー)、 Jリーグの村井満チェアマン、「専門家チーム」の賀来満夫氏(東北医科薬科大医学部)、三鴨廣繁氏(愛知医科大大学院)、舘田一博氏(東邦大医学部)による記者会見がビデオ会議システムで行われた。

 今回は政府の発令した47都道府県への緊急事態宣言が継続中であり、開催日程に関することよりも、現在の状況に関するさまざまなディスカッションが行われた。

 冒頭、座長を務める賀来氏は、次のように現状について説明した。

「緊急事態宣言が緩和に向かう場合、どのような基準があるのか。昨日の政府の専門家会議では、まだ宣言から2週間ということで、データが十分ではなく、具体的な言及はありませんでした。5月6日以降、その翌日からすぐ緊急事態が解除される状況とは言えません。そういったなか、感染している患者さんの数自体は鈍化傾向にあるのは事実ですが、東京や関東を中心とした医療現場はものすごい厳しい状況にあります。院内感染が多発し、非常に厳しい状況にあります」

 その状況下、選手に対する講義ビデオなども作成することが報告された。

「なかでも今後さらにいっそう、スタッフなどの健康管理、メンタル面でのマネジメントをしっかり継続して行っていく必要があること。(緊急事態宣言が)緩和された段階で、選手の移動について、今かなり厳しい制限がされています。移動・宿泊などの管理について、徹底した管理が求められていくことについて、具体的な話がなされました。

 これまでもマニュアルなどは配布してきましたが、選手やスタッフ、家族の不安感が強いなか、再度、私たちからビデオ講義などで、感染症の予防のポイントについてビデオ講義を作り、選手、スタッフ、チーム全体の方々に対して、教育的、啓発的な活動も新たに行っていこうという話をさせていただきました」

 また、台湾と韓国のプロ野球が開幕し、アメリカやヨーロッパでもプロスポーツ再開に向けた動きが出ている。そういった団体からの情報についても共有していくことが大事であると説明があった。

「台湾ではかなり感染を抑え込むなか、プロ野球が無観客で開幕しました。韓国でも5月から行われます。それぞれの国・地域と状況は異なり、いろいろな課題があるなか、スポーツが多くの感動や勇気を与えるイベントだと認識しています。

(日本は)非常事態宣言が出ているなか、再開は現時点では難しい。(再開に向けた)条件はこれから示されると思いますが、どのようなことに注意しながら開催していくのか。まずは無観客という形になるかと思いますが、選手、スタッフ、家族の健康管理をどのようにして、さらに(リスク管理の)精度を高め、開催するためのプロトコルやガイドラインをしっかり作っていきます。

 また、先行するいくつかの団体と情報交換しながらしっかり参考にし、また、大リーグ、ヨーロッパのサッカーリーグが、いろいろな考え方のなかで進んでいます。情報を共有して、NPBとJリーグ、一緒になって、どのような形であれば再開し、リスク管理できるのか、もう少し具体的に今後詰めていこうという話をしました」

 そのように、さまざまなリスクを鑑みて、基本的には他国と同様、まず無観客での再開を目指していくことになるだろうという見解が示された。

  また、Jリーグの村井満チェアマンからは、現在どのような不安や問題を抱えているのか、Jリーグの全選手に対するアンケート調査を実施する考えが示された。

 Jリーグは2月16日にルヴァンカップ、21日から23日にかけてJ1とJ2リーグの開幕戦(1節)が行われたが、その後のカードがすべて延期に。現在、スケジュールは「白紙」となっていて、6、7、8月と1か月タームでの再開を目指している。

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[取材・文:塚越 始]

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