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【柏1-1浦和】興梠の肩ゴールはノーハンド、しかし汰木はオフサイド。なぜ見逃されたのか?

浦和の興梠慎三(2019年9月撮影)。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA

新規則で明記、ハンドの基準は「脇の下」。それより上部が「肩」。

[J1 22節] 柏1-1浦和/2020年10月14日/三協フロンテア柏スタジアム

 浦和レッズの興梠慎三が“肩”で押し込んだ同点ゴールは、ハンドではなかったのか? その直前のプレーはオフサイドではなかったのか? 10月20日に更新されたDAZNの人気コンテンツ『Jリーグジャッジリプレイ』で、14日の柏レイソル対浦和レッズ戦のワンシーンが取り上げられ、FIFA・AFC・JFA審判インストラクターの深野悦子氏が解説し、Jリーグの原博実副理事長、タレントの平畠哲史氏と議論をかわした。

 0-1で迎えた59分、浦和の右コーナーキックから、槙野智章のジャンプヘッドで競り勝ったボールがポストに当たって跳ね返り、こぼれ球を汰木康也が中央に蹴り、興梠慎三が倒れ込みながら肩で押し込んだ。副審と主審が協議をした結果、ゴールと判定された。

 まず汰木がオフサイドではないか? という問題について。VTRで振り返る限り、明らかなオフサイドであると説明があった。槙野の競ったあとのボールがしゃがんでいる江坂任の腰の部分に触れているが、江坂は意図を持ってボールにプレーしていないので「オフサイドの判定には関係はない」とのことだ。

 では、なぜ、オフサイドは見逃されたのか?

 深野氏によると、このケースでは槙野がヘッドした瞬間、副審はオフサイドの有無をチェックするという。しかし、3人がオフサイドポジションにいた感じではあるものの、汰木の動きを捉えきれていなかったかもしれないという説明だった。

 あるいは、ニアサイドにいた柏の選手がラインを上げているもののやや遅く一方の足が残り、そこで攻守の選手が一瞬にして入れ替わっているため、副審がオンサイドと認識した可能性もある。

 コンテンツ内でも「副審がオフサイドと断定できなかったのではないか」と、“疑わしきは罰せず”でオンサイド判定になったと検証していた。

 また興梠のゴールは、ハンドではないかという指摘もあった。

 国際サッカー評議会(IFAB)による最新の競技規則では、「脇の下から上が肩、その下からが腕」と、どこからが「ハンド」なのかが明記された。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の導入に伴う、ビデオ判定を前提にした、より細かく指定されたルールの一つでもある。

 今回、興梠のゴールも、「肩」でしっかり決めているという見解が示された。ただし、もしもVARが導入されていた場合、「映像によっては肩で押し込み、別の角度では手に触れているようにも見える」(平畠氏)と、逆に映像が多ければ多いほどファウルになりやすくなる可能性もあるなど、新たな課題も浮き彫りになっていた。

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[文:サカノワ編集グループ]

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