ノイアーが内田篤人の引退に触れる?「右SBとは異なり…」。古巣シャルケの低迷「私は悲しい」と嘆く
シャルケ時代の内田篤人。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
インタビューで様々な質問に答える。「私たちの社会では、空席のスタジアムとはまた異なる問題を抱えています」
バイエルン・ミュンヘンのGKマヌエル・ノイアーがこのほど、『t-online』のインタビューに登場し、サッカー界が置かれた現状や自身について、そして古巣であるシャルケ04への思いを語っている。同世代で活躍するトップアスリートに関する質問を受けると、内田篤人を想起させるような答えをしている。
ドイツ代表でもいまだ守護神の座を担う34歳のノイアーは、同世代のアスリートが今なおトップで活躍していることについて聞かれると、次のように語った。
「私たちはたくさんの経験とともに、自分自身のフィジカルのことをよく把握しています。(クリスチアーノ・ロナウド[35歳]、ラフェエル・ナダル[34歳]、ルイス・ハミルトン[35歳]、レブロン・ジェームス[35歳]ら)彼らは自らへの規律の厳しさも知られています。ただ、私はとりわけゴールキーパーというポジションであることが幸運であり、右サイドバックや背番号『6』(=サイドハーフ)のように、毎試合13キロを必ず走る必要がありません。私はまだしばらく続けられるはずです」
そのように、シャルケ時代の親友でもありDFBカップ制覇をともに成し遂げている、今季引退した鹿島アントラーズの内田篤人を思い出させるニュアンスのコメントをしている。
またGKの醍醐味について、「私はただ守るだけ、というわけではありません。あくまでも攻撃の最初がGKであるという攻撃的な意識を持っています」と語り、バックパスを手で扱うことを禁止するルールができたことで、「それによって今日の私がいます」と強調している。
さらには、興味深い答えとして「このサッカー界で何か一つ変えたいことは?」という問いに、次のように答えている。
「できるだけ早くまたスタジアムを埋めてほしいです。とはいえ現時点で、それは不可能だと分かっています。私たちの社会では、空席のスタジアムとはまた異なる問題を抱えています。私たちはまず通常の生活を取り戻したい。その変化について考える時、最初にフットボールのことを考えようとはしません」
そのように客観的な視点として、サッカーはあくまでも社会活動を取り戻すうえで後回しになって仕方ないものだという見解を示している。
そして、古巣シャルケは現在3分9敗と勝ち星がなく最下位に沈み、2部降格の危機に瀕している。その状況について、「私は悲しい」と嘆いている。
「(下部組織からトップチームまで)シャルケは私を育ててくれたチーム。そこで20年間プレーしてきました。この状況を見るのは、悲しいことです。すぐにまた良くなることを願っています」
それはノイアーのみならず内田らシャルケOBであり、全てのシャルカーの思いでもあるだろう。
中足骨骨折を克服して、バイエルンでのブンデスリーガ8連覇、そして昨季のUEFA欧州チャンピオンズリーグ優勝を成し遂げ、改めて「世界ナンバーワン・ゴールキーパー」として君臨し続けている。ノイアーはさらに現代的な“GK道”を究めようと突き進んでいく。
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[文:サカノワ編集グループ]