増嶋竜也が一転、現役引退を発表。その胸中を明かす「ここ数試合、終えるたび心に変化」
千葉の増嶋竜也。(S)SAKANOWA
「高校からプロまでの全てのタイトルを獲得できたのは僕の誇りです」
J2リーグのジェフユナイテッド市原・千葉は12月20日、DF増嶋竜也が現役引退すると発表した。9日時点では今季限りでの契約満了が発表され、本人は現役続行への意欲を示していた。35歳のディフェンダーは引退へと心が傾いた理由について、次のように語っている。
「ジェフユナイテッド市原・千葉に関わる全ての皆さまへ。
私、増嶋竜也は今季限りで現役を退くことを、ここにご報告いたします。
ここ数年、引退を意識せざるを得ない状況だったのは自分でも少しずつ感じ始めていました。特に今年は出場機会になかなか恵まれず、精神的に辛く苦しい日々が続きました。
当初はこんな終わり方では納得できない、試合に出てやり切って引退したいと思う自分が常にいました。なので、先日皆さんには引退しないと発表したのですが、ここ数試合は出場することができ、試合を終えるたびに心に変化が生まれていきました。
一度は続けたいと発表したこともあり正直悩みましたが、それでも今が引退するタイミングとしてはベストなのかもしれないと思うようになりました。
一つはここ数年、サッカーをどう続けるかということよりも、どう終わるかということを重点的に考えている自分に気づいたこと。そしてもう一つは、新天地でもう一度チャレンジして引退することよりも、地元である千葉で皆さんに見守られて引退できなかったことを後悔するのでは、と思うようになったことで、この地での引退を決断するに至りました。
今はプロとしての集大成がジェフで本当に良かったと思っています。子供の頃から憧れていたジェフのユ ニフォームを着ることができ、一つ夢が叶いました。
また、たくさんのファン・サポーター、そして地元である千葉の皆さんに見守られ、プロサッカー選手として最後の日を迎えられたことを心より幸せに感じています。
千葉で育ち、市立船橋高校でプロに行くことを決意し、FC東京、ヴァンフォーレ甲府、京都サンガF.C.、 柏レイソル、ベガルタ仙台、ジェフユナイテッド市原・千葉と6チームに渡り17年間突っ走ってきました。
振り返ってみると壮絶なサッカー人生でした。プロの世界はとても厳しいところです。
毎年一年が終わるたびに、来年もプロサッカー選手でいられるのか不安でした。一試合、一瞬で人生が変わってしまうのがプロの世界。毎試合が命懸けで、緊張の連続。そんな中でも素晴らしい人たちに恵まれ、たくさんの経験から多くのことを学び、高校からプロまでの全てのタイトルを獲得できたのは僕の誇りです。
これも一重に支えてくださったサポーターの皆さん、スタッフ、自分に関わってくださった皆さんのおかげだと心から思っています。
そしてなによりいつも自分を一番近くで支えてくれた家族と両親にも感謝をしたいと思います。正直、自分の思い描いていたサッカー人生とは少し違いましたが、大満足のサッカー人生です。
サッカーで学んだことを、これからは子供達をはじめ、たくさんのサッカーを愛する人たちに恩返しできるように頑張ります。
今後また違った形で皆さんに会える日を楽しみにしています。
長い間熱いご声援本当にありがとうございました」
増嶋は1985年4月22日生まれ、35歳。179センチ・75キロ。千葉県千葉市出身。これまでのキャリアは、市立船橋高校 ― FC東京ヴァンフォーレ甲府 ― 京都サンガF.C. ― 柏レイソル ― ベガルタ仙台 ― 千葉。千葉では2018年から3シーズン(18・19シーズンは柏からのレンタル)にわたってプレーしてきた。通算記録はJリーグ336試合・19得点、千葉通算J2リーグ71試合・7得点。
千葉は20日14時から今季最終戦、ホームのフクダ電子アリーナでギラヴァンツ北九州と対戦する。
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[文:サカノワ編集グループ]