【京都】涙の交代を経て荻原拓也が後半投入で奮闘。曺貴裁監督「この1週間が大きく伸びるキッカケの一つに」。今季浦和からレンタル
荻原拓也。(C)SAKANOWA
決定的なシュートを放つものの力みが感じられ、秋田に苦杯。「自分がチームを勝たせなければいけないという気持ちの中でするプレーの重みを、彼は感じています」
[J2 5節] 秋田 1-0 京都/2021年3月28日/ソユースタジアム
J2リーグ5節、京都サンガF.C.はアウェーに乗り込んだブラウブリッツ秋田戦、41分に茂平に先制点を許したあと猛反撃し、シュート18本対5本と攻め込んだものの体を張ってゴールを守る青き壁を最後まで攻略できなかった。
0-1で折り返した後半開始、左サイドで投入されたのが浦和レッズから期限付き移籍しているレフティの荻原拓也だった。
直近の雷雨による中止・延期で組まれた3節・大宮アルディージャ戦(〇2-1)。19分からの再開ゲームでは前半終了間際に痛恨のミスパスで失点を招いて、ハーフタイムで交代を告げられた。連戦による体力的な面、白井康介のコンディションの良さも考慮されての交代だったが、荻原はロッカーで泣きじゃくっていたという。
そして今回の秋田戦はハーフタイムを挟んでの投入に。荻原はチームに一段とダイナミックさをもたらしたものの、秋田の堅い守備を前に力みも感じられ、惜しいシュートを放つものの外してしまう。
それでも気持ちの伝わるプレーを最後まで貫いてみせた。これからに十分期待を感じさせるパフォーマンスだった。
試合後のオンラインによる記者会見では、曺貴裁監督が荻原について質問を受けると、次のように語った。
「拓也に実際に指導して、付き合い始めたのはこの京都に来てからですが、どのようなプレーヤーであるかは、対戦したり、指導者の方から話を聞いたりしたなかで把握していました。(実際に一緒になって)それ以上に、大きく伸びるポテンシャルのある選手だと思います。そのなかで、この前の試合で涙を流したこと、今日の試合で取り返してやろうとしたこと、この1週間が大きく伸びるキッカケの一つになってくると思います」
そして21歳のレフティのチームの立ち位置が、一つひとつのプレーの重みになって表れてきていると言う。
「何よりこれまで先輩方に頼ってきたなか、自分がチームを勝たせなければいけないという気持ちの中でするプレーの重みを、彼は感じています。そこからさらにその色を強くして、本当に日本を代表するような選手になってほしいですし、そのプロセスは間違いなく踏んでいると思います」
チームを勝たせられる選手になっていけるか。曺貴裁監督は改めて荻原の可能性を触発する言葉で、その背中を押していた。
注目記事:【京都】屈辱のミスと交代。”泣きじゃくっていた”荻原拓也に曺貴裁監督が掛けた言葉と期待
[文:サカノワ編集グループ]