【清水】事業費45億4500万円、3800万円の黒字を計上。「王国」支える鈴与からの特別協賛を受けて
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決算を承認。取締役に大熊清GM兼サッカー事業部長が就任。
J1リーグ清水エスパルスを運営する株式会社エスパルスの第26期株主総会と取締役会が4月27日に行われ、決算を承認した。新型コロナウイルスによる大きな打撃を被るなか、事業費は45億4500万円、コスト削減などに努める一方で責任企業からの特別追加協賛を受けて、3800万円の当期純利益(黒字)を計上した。また、取締役に大熊清ゼネラルマネージャー兼サッカー事業本部長が就任する役員案も承認された。
厳しい状況下、同期は収益面で45億4500万円の売上高を計上した。
ただし延べ入場者数は前期比65.2パーセントのマイナスとなる8万9002人、1試合平均5235人にとどまった。また広告収入については、「新型コロナウイルス感染症による厳しい経済環境の中にも関わらず、 責任企業をはじめとした多くのパートナー企業の皆様から多大な支援をいただき、例年同様に物心両面で力強く清水エスパルスを支えていただきました」と報告している。
費用面では、新型コロナウイルス感染症による各種施策やイベントの見送りなどにより、主要事業それぞれの原価は昨年を下回る実績に。強化費は厳しい経済環境の中ではあるものの、J1リーグでの生き残りのため積極補強に努め、前期比2億9600万円プラスの22億300万円に。営業費用全体では、同4000万円プラスの43億3000万円となった。
その結果、営業利益は2億1500万円(前期比+2億1300万円)、営業外損益を加えた経常利益は2億1900万円(前期比+2億300万円)、事業用資産の評価見直しによる減損会計により当期純利益は3800万円(前期比+3600万円)となった。
山室晋也社長は同日行われたオンラインによる記者会見で、数多くの地元企業などからの支援、そしてスポンサーを務める鈴与株式会社からのサポートで、黒字計上になったと説明するとともに感謝。次のように語った。
「このコロナ禍という緊急事態のため、地域貢献という意味で、静岡・清水のサッカー文化を守ろうと一肌脱いでいただいてもらえたと理解しています。もちろん私たちはそれにいつまでも甘えていてはいけません。自立して収益を出していくことを、まずやっていかなければいけません。社員にも厳しく、自分たちの力で、しっかりとした強いクラブを作っていこうというメッセージは出しています」
今季もあらゆる面で先行きが見通せずにいる。そうしたなかでも「自立」した態勢づくりを目指していくと強調していた。
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[取材・文:塚越始]