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【仙台】マルティノスがダイナマイトミドル炸裂!手倉森監督の「注文していた」厳しいノルマとは?首位・川崎に劇的ドロー

川崎戦後にオンラインによる取材に応じた仙台のマルティノス。協力:川崎フロンターレ

ある意味、最後通告…。前節・浦和戦の内容を受けて、「ここで何かを果たせなければ―」。

[J1 20節] 川崎 2-2 仙台/2021年5月12日/等々力陸上競技場

 ベガルタ仙台のMFマルティノスがミッドウィークに組まれた首位・川崎フロンターレ戦、1-2で迎えた90+5分に鮮烈のミドルを突き刺して、土壇場でチームに勝点1をもたらした。今季浦和レッズから加入した仙台の背番号「20」にとって、リーグ11試合目での新天地初ゴール。

 87分に最後のカードで、富田晋伍と代わって投入される。そしてピッチに立ち7分……残す時間はあとわずか。キュラソー代表アタッカーはコンパクトに左足を振り抜き、ダイナマイトミドルを炸裂! 強烈な弾丸をゴールネットに突き刺し、スタジアム全体を震撼させた。

「照山(颯人)選手がボールを持ってゴールに向かっていき、そこでパスが来てチャンスになり、ワンタッチで前へ出してシュートを打ちました。決まって良かったです」

 マルティノスはそのようにゴールシーンを冷静に振り返った。

 ただこの試合、仙台の手倉森誠監督はマルティノスに、こんな要求をしていたと明かしている。

「前節の浦和戦(●0-2)で途中出場させた時、仕掛けの部分で俺は物足りなかったという話を本人にしました。今日の途中出場は予定よりも(出場)時間が短くなりましたが、ここで何かを果たせなければスタメンに返り咲けることはないと注文していました。本当に短い時間だったけれども、ようやく仙台に加入して仕事をしてくれたと思います」

 まさに最後通告と言えた。ただ、マルティノスは基本的には変わらないスタンスで臨んでいたそうだ。

「特に大きく変えたわけではありません。常に100パーセントを出しているので、監督とも話をしましたが、意見はリスペクトしています。自分ができることは、常に全力で戦うこと。今日も100パーセントを出したので結果につなげられました」

 何よりマルティノスは、この日アウェーで全員一丸となって掴んだ川崎からの勝点1を誇りにしていた。

「今日試合に出た選手全員を称えたいです。出番に恵まれず出場時間の少ない選手が多かったものの、王者の川崎相手に自分たちのほうが走って、闘えて、しっかりゴールを決められました。先発した選手も、交代で出た選手も本当に素晴らしかったと思います」

 失地からの回復――。20試合負けなしだった王者・川崎相手に、粘って、耐えて、戦い抜いた。仙台とマルティノスがここから這い上がっていく。

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[取材・文:塚越始]

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