浅野拓磨の退団騒動、謎解明!?コロナ禍「給与半減」応じず。FIFA判決は“選手支持”
浅野拓磨。写真:徳原隆元/(C)Takamoto TOKUHARA
パルチザンは昨年、年俸減額を選手に求めていたが――。
慢性的な給与未払いを理由にセルビア1部パルチザン・ベオグラードとの契約を解除すると自身のSNSとブログで発表した日本代表FW浅野拓磨の退団騒動だが、セルビアメディア『ディレクト』がこの問題の謎を解明する一つの手掛かりを提供している。
記事によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い経営面で大打撃を受けたパルチザンは2020年の早い段階で、欧州をはじめ各国クラブで見られた給与削減の協力を選手に求めた。クラブが呼び掛けたのは50パーセントという大幅な減額。しかし浅野はこの条件に合意していなかった。
そして給与減額を拒否した場合、選手には契約通りの額が支払われなければならないという“判決”も出ていた。セルビア・サッカー選手会のミルコ・ポレディカ会長は5月6日にツイッターで、選手名を明かしていないが、そのようなFIFA(国際サッカー連盟)の判決が下された昨年の事例を公表している。いずれも選手側が支持され、未払い2件(1万1000ユーロ=約140万円)、補償(賠償)1件(15万3000ユーロ=約2000万円)、いずれも年利5パーセントが課されたものを、クラブが選手に支払うという内容だ。
同会長は「これは浅野の話にも適用される。『COVID-19ケース』」と紹介している。
未払いだと訴える浅野、支払いはしてきたと反論するパルチザン。主張は平行線を辿ってきたが、その謎が少し解明された。契約書の内容が優先で、クラブの要請はあくまでも“お願い”になるということだ。浅野サイドはそうした状況をFIFAにも伝えているという。ちなみに浅野は2019年8月1日から3年契約を結んでいた。
あとは浅野が一方的にクラブを立ち去った件で、パルチザンが法廷の判断を委ねる可能性があるそうだ。
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[文:サカノワ編集グループ]