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【浦和】「まさかループで来るとは」西川周作がマギーニョとのデュエルをヘッドで封じる

横浜FC戦のあとオンラインによる取材に応じた浦和のGK西川周作。協力:浦和レッズ

無失点勝利でプレーオフステージへ。「決勝戦のような思いで挑んだ」。

[ルヴァン杯 GS6節] 浦和 2-0 横浜FC/2021年5月19日19:03/埼玉スタジアム

 ルヴァンカップ・グループステージ(GS)6節、浦和レッズの日本代表GK西川周作が驚きのヘディングによるシュートストップで横浜FCのDFマギーニョとのデュエルを制し、このビッグプレーがプレーオフ進出を懸けた両者の明暗を分ける重要な分岐点にもなった。結果、浦和に無失点勝利をもたらすとともにGS1位突破へと導いた。プレーオフステージではヴィッセル神戸との対戦が決定した。

 関根貴大の開始3分のゴールで幸先よく先制したあとの10分だった。最終ラインの背後にできたスペースを攻略されてマギーニョが独走。すると西川はすっと前進してペナルティエリアの外まで飛び出す。そしてブラジル人サイドバックの出方を慎重に見極めて、足を止める。

 するとマギーニョもスピードを落とし、西川の頭上を越すループシュートを狙う。と、浦和の背番号1はジャンプをして、ヘディングでこのボールをストップ! 手が使えない状況で咄嗟に出たヘッドにより、絶体絶命のピンチを凌いだ。

「(相手がフリーで抜け出す)一番恐れていたことが起きた状況でしたが、それでも想定内ではありました。逆にループシュートを打ってくれたから対応できたところもあります。あそこで失点しなかったのは、一つ今日の試合のポイントになりました。とにかくチームが勝って、(プレーオフステージに)勝ち上がれたことが全てだと思います」​

 西川はそのように振り返り、その心理的な駆け引きについても振り返った。

「まず宇賀神選手がプレッシャーに行き、多分、股を通ったと思いますが、そこでボールが長くなったので行こうかと思いましたが、マギーニョ選手も足が速いです。出ていって引っ掛けて退場、というのが頭によぎりました。僕もペナルティエリアの外に出ていて、我慢しようと思いながら、最後に抜きに来た時は体でも何でもぶつけて守ってやる気持ちで準備していました」

 ドリブルで抜きに来られたら嫌だなとも感じていた。いくつかマギーニョのプレーの選択肢を想定していたが、「まさかループが来るとは思いませんでした」と西川は瞬間的に反応したそうだ。

 そして西川がこの試合に懸けていた思いを語る。

「今の僕の立場としては、リーグ戦に出られていないなか、チャンスをもらえたことに感謝しながら、とにかく失点ゼロで勝ち上がるのを使命に決勝戦のような気持ちで挑みました。久しぶりにホームにいる皆さんと一緒に戦えて、本当に楽しかったですし、試合に出たいという欲もまだまだ強くなりました。このままでは終わりたくないですし、まだまだ目標に向かって頑張っている途中でもあります。リーグの先発から外れた時に感じたのは、こういう時間も自分にとって意味があると、しっかり自分に矢印を向けながら、いい準備ができた結果、今日勝てたと思っています」

 チーム全体を俯瞰する立場でもあるが、今は改めて自分自身との対話に軸を置き、そして勝利のための準備に徹する。西川の執念が詰まったヘディングでのシュートブロックで、浦和が2016年以来のルヴァンカップ制覇へ、力強い一歩を踏み出した。

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[文:塚越始]

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