今季初ゴールの鈴木優磨が原点回帰を強調。「全員で闘うところを見直さなければ」
プロ4年目のシーズンを戦う鹿島の鈴木(2018年2月)。(C)SAKANOWA
「球際の激しさであり、今日は負けた。ちょっとおごりがある」。湘南戦の敗戦を受け止める。
[J1 6節] 湘南 2-1 鹿島/2018年4月7日/Shonan BMWスタジアム平塚
リーグ6試合目にして待望の今季初ゴールを決めた鹿島アントラーズの鈴木優磨だが、湘南ベルマーレ戦のあと、厳しい表情で「相手のほうが闘っていた」と敗戦を潔く認め、「全員が原点に立ち返らなければ」とチーム一丸での現状打破を誓った。
「今はちょっと冷静に考えられないと言いますか……。自分自身を含め、もう一度、選手、スタッフ一人ひとり、全員がもう一回、見直さなければいけないと思います」
そう語り始めた鈴木は、湘南の闘う姿勢に負けたことを素直に受け止めていた。
「相手のほうが闘っていたし、球際でも相手は激しく来ていた。1勝することは難しく、鹿島がいくら有利と言われていても、相手は頑張ってくるし、1個のボールを追ってくる。その意味で、今日の試合は負けたと思うし、当たり前のところで、ちょっとおごりがあるのかなと自分を含めて思いました」
何より、鹿島の代表として、結果を残せずにいる責任を痛感していた。
「チームを代表して、勝たないといけない。試合に出たいけれども鹿島に残っている選手もいます。11人プラス7人はチームの代表で、アウェーにたくさんのサポーターが来てくれたにもかかわらず……勝てなくて申し訳ないです」
背番号9は続ける。
「勝負を決めるのは、そのちょっとした差だと改めて思いました。いくらチャンスを作っても、決めなければ勝てない。いくら守れても、点を取れないと意味がない。歯車が今はちょっと噛み合っていないと感じています」
そして鈴木は「闘う」という原点に立ち返るべきだと強調していた。そして、そういった闘うべきところが人任せになっている、と。
「いい守備からいい攻撃ができる、鹿島はそのサッカーができています。ただ、全員の失点だし、全員の得点だった。そういう意味では今日は全員で負けたなと思う。一人で頑張ろうとしても、チームとしては上手くいかないもの。だから今はもう一度原点に立ち返って、全員で闘うところ、そこをしっかり見直さないと駄目だと思います」
シュート数は鹿島が16本対4本と攻め込んだ。しかし決め切れず、勝ち切れない――。
最近の試合を象徴するような展開で、今回はラストプレーでゴールを決められて勝点を持ち帰れなかった。ケガ人が戦列に戻っては、誰かを欠くなど、連戦中のチーム作りに確かに苦しんでいるものの、そんな言い訳はできない。今こそ、鹿島の底力が試されている。
取材・文:塚越始
text by Hajime TSUKAKOSHI