【五輪日本代表】最新序列「逆転」が起きた2つのエリア
オリンピック日本代表の最新序列。(C)SAKANOWA
センターバックも板倉滉が食い込み、今後、フル代表でJリーグ組は――。
[東京五輪 準決勝] 日本 – スペイン /2021年8月3日20:00/埼玉スタジアム2002
東京オリンピック準々決勝、日本代表は7月31日、ニュージーランド代表との延長120分の死闘の末にスコアレスで引き分け、PK戦を4-2で制してベスト4にコマを進めた。準決勝は8月3日、スペイン代表と対戦する。
日本はグループステージを今大会の参加国中唯一の3連勝、勝点9を獲得して突破。しかし、この準々決勝はニュージーランドの日本対策の戦術にも苦しみゴールを奪えず。試合はスコアレスのドローで終え、PK戦の末に2大会ぶりの4強に進んだ形だ。
大会直前のキリンチャレンジカップ2試合、そしてこの4試合を経て、22人の序列にも多少の動きが起きている。これまでの森保一監督の起用法から、この大会後の日本代表でのポジション争いにも直結してくる、TOKYO五輪戦士22人の序列の「変化」をチェックしたい。
序列を高めたのが旗手怜央だ。フランス戦では左MFで先発出場。このニュージーランド戦では、左サイドバックで先発し、中山投入後には相馬勇紀のあと左MFに入った(そのあと三笘薫)。
絶え間なく上下動をこなしながら展開に加われる大胆さと力強さ、そして器用さが評価された形だ。
もしかすると前田大然がコンディションに問題を抱えている可能性もある。ただこの23歳の“二刀流”が、このチームの左MFの「二番手」もしくは「一番手」とも言える位置づけだ。
が、しかし――。フランス戦、ニュージーランド戦ともに前線ではあまりパッとした活躍を見せられずにいる。三笘、前田が「結果」を残せば、その序列もまた入れ替わるか。
ただ指揮官が旗手を高く評価していることは感じられる。フル代表の「左サイドバック問題」の解決に向けて、一石を投じる存在になってきそうである。
逆にキリンチャレンジカップで評価を高め、メキシコ戦でも貴重なPKを獲得した相馬だが、やや指揮官の評価を落としているか?
また、センターフォワードも林が今大会4戦中3試合先発と高く評価されている。基本的にはフランス戦で抜群の存在感を示した、負傷明けの上田綺世が一番手。ただ、上田、前田ともにケガが多く、“無事これ名馬”でビースト林が突き上げ。バックアップメンバーからの正式メンバー入りした立場ではあったものの、「主力」の一角に食い込んできた。前田よりも序列的には高い。次にチャンスが来れば「結果=ゴールやアシスト」がほしい。
そのように「左MF」「センターフォワード」に“動き”が見られた。
また、センターバックの吉田麻也、冨安健洋に続く「三番手」も様々な選手が起用されてきた。その中で、オランダのフローニンゲンFCで昨季リーグ全試合フル出場を果たした板倉滉が特長を発揮し、五輪初戦から2試合連続フル出場。準決勝は冨安が出場停止のため、先発復帰濃厚である。このままフル代表でも、争いに食い込んできそうだ。中山雄太や橋岡大樹もセンターバックでのプレーが可能とあって、24歳以上を含めJリーグ組は争いに加わるのも難しい状況になっていきそうだ。
久保建英、堂安律、谷晃生、そしてオーバーエイジの3人は「不動」。三好康児が2列目の“二番手”につける。
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[文:サカノワ編集グループ]