W杯出場権獲得なるか?鮫島彩がかける「なでしこの時間」
韓国戦では完封に貢献し、多くのチャンスの起点になった鮫島。写真:早草紀子/(C)Noriko HAYAKUSA
13日夜にオーストラリア戦。勝てば来年の本大会出場決定。
[AFC女子アジアカップ] 日本 – オーストラリア/2018年4月13日/アンマン(ヨルダン)
ワールドカップ出場権獲得のキーマンの一人が鮫島彩だ。高倉麻子監督のもと、若い選手の多いなでしこジャパンを支えてきた。
本職の左サイドバックのみならず、E-1東アジア選手権ではCBでプレーするなど、最終ラインあらゆるポジションを務める。その豊かな経験値を生かし、自分なりに表現してきた。
闘志を表に出すタイプではなかったが、今はピッチサイドまで鮫島の声が響く。そして大会直前のガーナ戦ではキャプテンマークをその腕に巻いた。成長するのは若手だけではない。鮫島もまた新たななでしこジャパンとともに成長してきた。
アジアカップでは左SBでプレーを続ける。グループステージ最終のオーストラリアは、大会屈指のスピードとパワーを持つ優勝候補。自力で準決勝に進むためには勝利しかない日本にとって、鮫島にはクロスを上げさせない的確な判断と守備が求められる。CBで積んだ経験も、ここで生きるか。
そして攻撃参加からゴールをもたらしたい。ベトナム、韓国戦では鮫島が起点になることで、多くのチャンスをもたらしていた。リスクを全員でカバーしながら鮫島のビルドアップから突破口は見出したい。
「自分たちで勝手に(リズムを)崩していって回せない、そういう試合運びにはしたくない。耐える時間も多いだろうけど、絶対日本がボールを持つ時間は来る」
鮫島が作り出すそのなでしこの“時間”に懸けている。
取材・文:早草紀子
text by Noriko HAYAKUSA